読書

『破壊』島崎藤村

かなり有名な小説なのに、全く予備知識なしで読んだ。そしたらかなり面白かった。なによりこの小説って、 プロレタリア文学だったんだね。 そんなことすら知らないで読んでしまった。何よりこの本は行きつけの古本屋にて、数冊文庫本を買ったら「おまけで一…

『緑の家』 M.バルガス=リョサ

たしか3年くらい前のノーベル文学賞の人。彼のたぶん初期の小説なのだが、非常に読みにくい。なにせ時間軸がむちゃくちゃで、いきなり過去の話が出たり、現在の話の戻ったり、一体今自分はなにを読んでいるかさっぱりわからない。これはちょっとやりすぎじ…

『田舎教師』田山花袋

敷居が高いと言われている岩波文庫だが、意外に取っつきやすいのがかなりあったりする。おかたいイメージが強いけど、ちゃんとサドさんの作品も何冊か新訳で出しているんだし... それとは全く関係ない本書。タダ普段の生活をタラタラ書き連ねているだけでは…

『長靴を履いた猫』シャルル・ペロー、澁澤龍彦訳

澁澤龍彦が翻訳しているから読んだだけ、それだけ。今更教訓まじりの童話に感動する年でもないし...長靴をはいた猫 (河出文庫)作者: シャルルペロー,渋澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1988/12/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商…

『スローリバー』ニコラ・グリフィス

なんとか賞受賞とかいううたい文句に読み始めたけど、いやまあ、いいんじゃないですか? なんかこういうアンチもの、最近読むのがしんどいんだよねえ...スロー・リバー (ハヤカワ文庫SF)作者: ニコラグリフィス,Nicola Griffith,幹遙子出版社/メーカー: 早川…

『影男』江戸川乱歩

本当にシチュエーションの設定と、物語の導入部の素晴らしさは乱歩先生にかなう作家はいまだにいないのじゃないか。 その分ラストは、おざなりです。 ああ、もう、ほんと!!ラスト間際に出てくる明智小五郎!!お前は出てくるな!!明智小五郎ってこんなに…

『モンゴルの残光』豊田有恒

これが意外におもしろかったので驚いた。確か処女作。最初の作品にはその作家のすべてが込められているとは、よくいったものだ。 このころ、日本はSFブーム黎明期。まだ宇宙戦艦ヤマトもイスカンダルに向かって発進していなかった頃だ。そういえばヤマトの初…

『生き地獄天国』『悪の枢軸を訪ねて』雨宮処凛

新潟日報に連載を持っている雨宮処凛の初期作品集。最近のちょっとこなれた感へたどり着く手前のかなりぎらぎらしていたころ。そう人間ってそういうころってだれにもあるさ〜ただソコでの行動がとても常人ではないところが雨宮処凛の魅力である。最近の悟り…

何度目だ!!『黒死館殺人事件』小栗虫太郎

はい、三度目です。趣味人の方々からしたら、まだたいしたことない回数です。 三回読んでようやく気がついたこと、それは、かなりインチキ臭いことが満載だな、と。 文章からしてよみにくい(小栗さんは得てして「悪文」の代表とされている)のに、その中に…

『火星の秘密兵器』エドガー・ライス・バローズ

何年かぶりにようやく読んだ火星シリーズ。実はこの一冊だけが地元の図書館に蔵書されてなくて、読むことができなかったのだ。コレにてようやく火星シリーズコンプリート。本書の内容は、とくに読まなくても「火星シリーズ全部読んだよ!」と言ってまったく…

『魔都』久生十蘭

久生十蘭に100ページ以上の作品を書かせちゃダメだ。 てなわけで、何だかよくわからない事件が多発してよくわからないうちに終わってしまった。さわかな読後感とか、謎解きのカタルシスなどを求めている人にはお勧めしない。自分の場合、途中でしばらく放り…

覚え書き-1

『魔都』久生十蘭 『火星の秘密兵器』エドガー・ライス・バローズ 『黒死館殺人事件』小栗虫太郎 『生き地獄天国』雨宮処凛 『悪の枢軸を訪ねて』雨宮処凛 『モンゴルの残光』豊田有恒 『影男』江戸川乱歩 『スローリバー』ニコラ・グリフィス 『長靴を履い…

ゴルゴ13

ふと読みたくなって、図書館にあったゴルゴ13を大量に借りてきて読んだ。20冊くらい。それでも全巻からしてみたら一部でしかない。まだ10冊ほど未読が図書館にはあるのだが、サスガに疲れた。 そうか、デューク東郷は人間じゃないんだ。年とらないし。どうも…

「闇の左手」アーシュラ・K・ルグィン

実は高校生の頃にすでによんではいたのだが、当時はまだ若く、内容もサッパリ頭に残っていなかったので、今回はきっちり読み直してみた。 読書前は「う〜ん、両性具有の住民で構成されている惑星に、調査にやってきた地球人(男)か...SF的BL小説か?」 など…

「第六ポンプ」パオロ・バチガルピ

短編集。そのなかの「フルーテッドガール」がエロい。途中までスゴイおもしろかったけど、ラストがあまりにあっさりしていて、あれでよかったのか?おもしろかっただけにちょっと残念。もっとこの話を読みたかった。というか、このアイデアで一冊本が掛けそ…

「守り人シリーズ」上橋菜穂子

沖縄出張の時に持って行ってハマッテしまい、その後6巻まで一気読み。子供向けにはもったいない面白さだ。作者本人は「特に子供向けとは思っていない」そうだが、図書館にはしっかり児童書コーナーの本棚に並んでいた。YA(ヤングアダルト)コーナーですらな…

「涼宮ハルヒの驚愕」谷川流

ま、ここまでの全作品を読んだのだから、ここはつきあいで最新刊も一応目を通しておこう。 はい読了しました...so whatな一冊。どちらにしろ、前作の続きなのにチョット待たせすぎじゃないかと思う。涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小…

「天地明察」冲方丁

なんだこの本は!あの「マルドックスクランブル」(←コレも好きな作品だけど)と同じ作者が書いたとはとても思えない。いや〜すっげ〜おもしろかった。 「算法少女」の男版?あ、算法少女もやたらおもしろいから、未来ある少年少女にお勧めだョ!天地明察作…

「白痴」ドストエフスキー

二階堂さんばかりの話題が続いた昨今だが、相変わらず読書もしています。 いや〜眠い。久しぶりに睡魔が強烈に襲ってきた。読了するのにエライ時間がかかってしまった。読了するまでに他の本を数冊読んだせいもあるが。 「白痴」とタイトルあるけど、どう見…

「ジョン・カーター」公開記念。新装で再刊の「火星のプリンセス」が...

うわっ!こりゃひどい! あまりと言えばあまりに改悪な新装版。こりゃ今回限りの特別版って事で、きっと何年か後には「なかったこと」になっていそうな感じだ。 ん?逆に価値有りな古本になるか(←ならねえよ) 私の「火星シリーズ」先輩、おかぴー姉さんか…

「分解された男」アルフレッド・ベスター

「もっと引っ張る、いわくテンソル。緊張、懸念、不和が来た」 初めて読んだとき自分はまだ高校生だった。そのころは人があまり読まないような本を読んで「俺ってスゲー」と思いこんでいた青臭い少年だったが、現在でもあいかわらず、人があまり読まないよう…

この作品は外せない 角川書店が文庫本ベスト10を発表

http://mixi.at/ajA7YAv 角川文庫縛りのベストテン。コレは考えたこともなかった。さっそく自分なりに... 第一位「ドグラ・マグラ」夢野久作 第二位「人間腸詰」夢野久作 第三位「瓶詰の地獄」夢野久作 第四位「少女地獄」夢野久作 第五位「犬神博士」夢野久…

そういえばグレッグ・イーガン

読んだのだが、なにもコメントしていなかったようだなあ。 「順列都市」グレッグ・イーガン 久しぶりにおもしろいモノ読まさせてもらいました。これが出発となって「ディアスポラ」に至ったこと間違いない原点な小説。だいたいいきなり全人格をソフトウエア…

北書店って知ってる?

また先日の話。 商談会があって新潟市中央区へ行ったのだが、商談の合間に3時間ほど空き時間ができてしまった。そこで市役所前、新大病院近くの北書店へ行ってみた。ここは知る人ぞ知る新潟での「チョット本にはうるさいよ、俺」ってな人が沢山集まる書店で…

ブックオフの神様

新潟中央区といえば新潟の中心。その中にあるブックオフはすべて把握していると思っていた。 先日はなんのきなしにクルマを流している最中に見つけたお店でのことだ。こんな新潟の真ん中にありながらあまり知られていないような店にはひょっとしたら....と思…

「ねじまき少女」パオロ・バチガルピ

通常ねじまき少女は単体では動けないが、人間によって螺子を巻かれると動く。しかし、それだけでは不十分であり、人間から力を貰わなければ能力を完全に発揮出来ない。そこで、人間から力を貰う為の儀式が契約である。ねじまき少女が付けている物と同じ薔薇…

まあ、それなりに本も読んでいます

でも年末で忙しいのか、夕食後に読書しだすと強烈な睡魔に襲われます。そんなわけであまり読書量は増えませんが、最近は久生十蘭にはまっています。短編の達人といわれる人ですが、その短編を一つ一週間くらいかけて読んでいます。メチャクチャ遅いのは...眠…

最近読んだ本

さくっと紹介... 「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ ご存じ最近映画化もした超有名作品の原作。ああ、悲しい、なんて悲しいこの人生。この虚無感は難だ?コレこそがガズオ・イシグロの真骨頂なのか?彼の作品はコレしか読んでないからわからない。 あ…

「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ

出張する時に持って行く本はなるべくおもしろくなく、難しい本の方がよい。 なぜか? 読んでいると睡魔に襲われるから。よく眠れて、翌日の仕事にさしさわりがないから。 というわけで、先日の東京出張の時は「わたしを離さないで」カズオ・イシグロだったが…

古本の神様

忙しい日々の中で突然今日だけぽつんと休みになってしまった。とりあえず家族サービスって事で、娘を連れてドライブに行く。行き先は新津のブックオフ(←結局自分中心) そこで古本市の張り紙を見つけた。開催日はまさに今日。ブクオフ見回ってめぼしいモノ…