看板に偽りアリ

 一緒に実演販売している凧の絵付け職人さん。今日現場に来る前に事故ってしまい、大遅刻であった。何せ今日は久しぶりに寒い朝で、道路はキョロキョロに凍っていた。スリップだった。
 すったもんだでようやく実演会場に到着した凧の絵付け職人さん、いつもの絶妙の語り口で接客をする。「はい、今私が描いている絵は中国の昔のエライ人、鍾馗上人さまです。鍾馗様の絵は厄よけの意味がありますので、病気、怪我、交通事故から身を守ってくれます」
 おい、いま事故ってきたばかりじゃないか...