ジブリの美術館

 ジブリファンの皆様には申し訳ないが。不愉快な気分を受ける前にこのブログを読むのを止めてください。という自分もジブリファンなので...今日東京へ行ってきました。行き先は「ジブリ美術館」かなり有名な建築家が設計したのではないかと思える外観。そして屋上にそびえる「天空の城ラピュタ」に出てきたロボット(名前忘れた)も神々しい、東京は三鷹ジブリ美術館。まさにジブリファンの聖地メッカといったところである。いろいろなメディアに紹介されて超有名スポットに突然なってしまった所だが、メディアなどで紹介されている「入場制限をしていますのでじっくり拝観できます」これが...
 入場制限は確かにしていたが時間制限があって退場させるわけではないので、会場内に人がドンドン増えていき、展示されている絵をじっくり見るどころか、人の波に押されるところてん形式で通り過ぎる展示品「ああ〜これはひょっとして日本アニメーション時代から背景美術を支えてきた山本二三の直筆背景画じゃないか〜」とマニア垂涎品も素通り...子供に大人気の「となりのトトロ」猫バスコーナーは遊技時間5分の制限で長蛇の列。
 これの一体どこが入場制限だ?
 どうも「ジブリ美術館のチケットは手に入りにくい」といったパブリックイメージを巧妙に作り上げているのではないか?とかんぐってしまう。さすが、すっかり広告代理店の徳間。思わず膝を叩いてしまった。
 実は今回のジブリ美術館行きは娘の9歳の誕生日を祝うイベントとして、元妻が企画したものだが...
 結局どこもろくに見れないまま、一行はミュージアムショップへ。そこはさらに欲望渦巻く狂乱の会場であった。ああ、自分のデパート催事もこれほどの熱狂があればなあ...と、くだらないことを考えながら一通り見る。で、自分が一番欲しかったモノは「わんぱく王子の大蛇退治」と「パンダコパンダ(雨ふりサーカスがカップリング)」のDVDだった。DVDプレイヤーはもちろん持ってないけど...
「せっかく誕生日だからセル画を買って上げる。どれがいい?」「これ、トトロのめいちゃん」などと実に能天気な会話を繰り広げている元妻と娘だが、そんな能天気に買えるほどセル画というモノは...特に背景までついて、額つきのものが簡単に買えるわけがない事を熟知している自分。よくよく値札を見ると「...ちょっとまて、おまえら値札の桁、見間違えてないか?」そう、娘の希望した「めいちゃんのセル画(背景つき)」¥26,000-也。「ひえ〜〜〜これは買えない〜〜〜ゴメン」やはり勘違いしていたようだ。その前にちょっと考えて欲しい。「となりのトトロ」の時代は確かにセルに着色して一枚ずつ撮影していたが、現代のデジタル時代にどこの誰がセルに着色作業などやっているモノか!!みんなパソコンでやってるよ。撮影用セルなんて存在しないよ。「千と千尋の神隠し」の背景つきセル画...そりゃ販売用にわざわざ描き起こした代物で、当然実際の撮影で使われたものではない。ちなみに「おじゃ魔女どれみシリーズ」の販売用背景つきセル画の相場が¥5,000-程度。もちろん販売に際しては「これは撮影で使われたものではありません。販売用に特別に描き起こされました」「背景は実際に使われた背景のカラーコピーです」ときっちり(わかりにくいところに)記載してある。ま、どうでもいいんだけれど。
 とまあ、買い物に夢中になっている間、ヒマな俺は見るとはないし美術館の内装を見ていたのだが...おお、サスガに凝っている。室内を構成する建材と家具、展示ショーケースなどが全部「タモ材」でほぼ統一されている。例外はトイレ(主に杉など)だけだ。照明なども、いかにも手作り蝋付けされたと思われる細工品。ひょっとしたらアニメ関連の展示品よりこの建材調度品の方がクオリティ高いんじゃないかと思えるほどの出来だ。建材と家具の材料を統一するなど、ちょっとコストがどの位かかるか考えると目眩がする思いなのだが...たまげた。
 さて、ジブリ美術館が、三連休の最終日とはいえここまで人出の凄ましい存在であったことに気がつかなかったこともあるのだが、普段のほほんと田舎暮らしをしている娘には初めてみる「人人人...」の大群である。今日で9歳とはいえ、パニック起こしまくり。それ見て元妻もプッツン。収拾がつかなくなって、予定を早めて東京駅からの帰宅路につく。お約束の展開とあいなってしまった。