音痴

自他とも認める音痴である自分の娘。自分自身は若い頃「バンド活動」など趣味とするくらいのものだから、音痴ではないと思うのだが...(ちなみに元妻も音痴ではない)一体誰に似たのか?とにかくものすごい音痴なのである。
ある日、はなれの工房で仕事をしていると、母屋の方からかなり奇妙な音声が聞こえてきたのである。まさか急病で苦しんでいるのか?学校でいじめにあって悲しくて泣いているのか?それとも近所で拾ってきた捨て猫を部屋に隠していじめているのではないか(子猫の断末魔に聞こえた)驚いて娘の所へ駆けつけたところ...ケロロ軍曹の主題歌をDVDにあわせて練習していました...ご丁寧に自分がバンド時代に愛用していたマイクを片手に持ちながら...アンプはないが。
漬物が腐る音痴とはこのことかと思うくらい音痴の娘が、何をトチ狂ったか「私は凧囃子クラブに入る」と言い出したのが、四年生になっての四月。どんな塾に通わせても三ヶ月と持ったことない娘であるから今回も多分だめだろうと思いつつ、だめなときはそのときまでと続けさせた凧囃子クラブだったが、驚いたことに十月の今日まで続いている。
現在の娘のパートはボーカルだ(おい)まさかと思ったが、四年生は歌う係と決まっているようだ。娘の音痴を知らないとはいえ、無謀な伝統だ。
凧囃子クラブにはボーカル用のマイクは二本しかない。ボーカルは四人...当然娘にはマイクを持たせられない。ソレは親のひいき目から見てもマイクを持たせるコトは無謀だ。町内一音痴であろう娘の隣で何とか音程を保とうと努力して凧囃子を歌っている娘さんが神々しく見えてしまう。
というわけで、先日の日曜日は娘の通う小学校で展覧会があり、そのステージで凧囃子クラブの発表会があった。そして、そこでの公演を無事(?)終了したのであった。親としては娘の音痴具合を知っているだけあって、めちゃくちゃ緊張してしまったのだが、そんな親の気持ちなどは関係なく、無難に凧囃子を歌っている(マイクを持っていないので声は聞こえない)娘の姿に、ちょっと感動した親バカであった。
実はその前に「樽太鼓演奏」という演目があった。あれだけ音痴な娘だからリズム感も皆無だと思っていたのだが、意外や意外。他の子供たちと同じように太鼓をたたいているではないか!!びっくりした。あの音痴の娘がちゃんとリズムをいる。人間やろうと思ったら何でもできるんだなあと、ちょとだけ娘を見直した。
音程に関しては、まだまだ前途多難ではあると思うのだが....ま、なんとかなるさ。