「時」本田美奈子

追悼...ってわけではないけれど、先日注文していた本田美奈子さんのCDがやっとアマゾンから届いた。アマゾン遅すぎ...オリコンチャートも皮肉なことに駆け上っていることだし、手に入りにくかったのかなあ?
あまりに才能豊かなので、神様が召してしまったとしかおもえませんね。
といった感傷たっぷりな感想を書くワケのないこのブログ。こういった企画性の高いアルバムの作る難しさを感じてしまった。つまりプロデュースした人の作品となってしまいやすい。本田美奈子らしさより、どうしてもプロデューサーの作品といった趣の方が強くなってしまう。選曲とかアレンジとか..一体どうしているんだろう?本田美奈子の意志とかはどこに繁栄されるべきなのであろうか?
ソレを彼方に振り切ってしまう超絶さ。
職人なんだな、彼女。
請われれば、その期待に百二十パーセント応えてしまい、請求者の要求を超えてしまい、請求者を喜ばせてしまう。ソレは翻って「自分らしさの追求」をちょっとそっちにおいているような感じに思えてしまう。
でも、天才はワガママにならなければならない!!
のだが...彼女の場合、こういったアルバムで見せる姿は「人間の声の可能性への追求」といえば大げさだが、「楽器としての音声」なのではないかなあ?クライアントに請われたコトに対してちょっとだけスゴイ仕事をしてみせる。そんなところ基準にして、これからの自分の歌手人生を構築しようとしていたのかなあ?
...今日は「?」マークがやたと多いなあ。
実は今彼女の「時」の方を聞きながらリアルタイムで書いているのだけれど、これがまさに「?」なのですよ。正直「明日のナージャ」の主題歌のほうが、はじけ飛んだ彼女の魅力ある歌声が全開しているんですよ。子供アニメの主題歌と侮りそうだけど、聞き込むと一小節ごとどころか一つか二つの音符ごとに裏声と地声を絶妙に使い分ける歌唱法をしていて、まさに「超絶技法」
そういった感動が「時」にはない。ゴージャスっぽいがなんか「それだけじゃないでしょ!!」といった物足りなさが妙につきまとう。本当に何だろうこれは?
あ、わかった。演出過剰だ。
あ、あの名曲「つばさ」が入っていない!!つばさはどこだ?つばさはどうした。つばさつばさつばさ....しまった〜!!速攻でアマゾン調べたら「現在お取り扱いできません」...全く、どいつもこいつも商売っけの無いヤツラばかりだ(まじ激怒)自分も最初はあのロングトーンの続く中そんままギターソロに入ってもまだ続いているのは....編集だな....普通はそう思うよね。ところがワイドショーの追悼特集で「題名のない音楽会」に出演していた彼女がこの曲をまさにCDそのままにライブで歌っていた放送を見てしまい、度肝を抜かされてしまった。
一体、歌手「本田美奈子」は何を目指してどこへ向かおうとしていたのであろうか?その答えは彼女の新作を聞くしかないのではあるが、すでに永遠の謎となってしまった。あきらかに、いまだ発展途上であったはずの彼女の行き着く先を見届けることなく終わってしまったことは、残念で仕方がない。
ここまできて実に申し訳ないが、実は自分はそんなに熱狂的本田美奈子ファンではない。確かにかなり気にはなっていたが「スゴイ人がいるな」くらいにしか思っていなかった。
今となっては遅いけど「ミスサイゴン」....見てみたかったなあ〜

時