暴言酒場

近所でちょっとコジャレたショットバーを見つけた。30代の夫婦でやっているようだが、奥さんがキレイだったので常連になろうかと(おい)
今回行ってみたら、まだ時間が早かったせいかダンナひとりで奥さんはいなかった。つまらん(おい)壁を見渡すとレコード何枚かおいてあり、かかっている曲は女性ジャズボーカル「誰コレ?」「ノラ・ジョーンズ」「自分は不勉強でしらないや。なんかリッキー・リー・ジョーンズみたいだな〜」「いや〜オレもしらないっすよ」は?この辺で気がつけばよかったのだが...
まだ数回しか入ったことのない店というのは、たいてい店の作りや雰囲気を見渡して、場の空気を読み、そこから話を紡いでいく物だが...
「お、ストーンズのセイムガールズじゃない。しかもレコード、渋いね」「いやどうも」
この辺でCDをチェンジ。曲が変わるがイントロで即判明。
「おお、ラストワルツ、ザ・バンドじゃない〜ロビー・ロバートソン好きなんだ」「だれですそれ」
え...?ま、めげずに話題を変える。
「やや、ソコにあるレコードは地獄の黙示録のサントラじゃないか。映画の最初にかかるドアーズのジ・エンド、良いよね。ジム・モリスンとコッポラってが美術学校で同級生だったんだよね〜」「だれっすかジム・モリスンって」
は...?
「ちなみに今かかっているラストワルツでジョニ・ミッチェルが歌っている曲はなに?」「ジョニ...誰ですそれ」
ちょっと待て!!ゴラア。なんにも知らんじゃないか!!なんだこの店は?そこかしこにあるマニア心をくすぐるレコードはいったいなんだ!!ええ!!
「あコレですか。いや頼んでいるわけではないんですが、うちに来るお客さんが勝手においていくんです。ははは」
...なんかそういう、つい秘蔵のレコードを預けてしまいたくなるようなマスターなのか?肝心のマスター本人は全然無頓着なのだが...自分的には...
がっかりだよ〜!
「あ、そういうお客さんのような人に、ぴったりなお店が近所にありますよ」
と言うと、メモとペンを持ってきて、すらすら地図を書き始めた。
「さあ、この店に行けば、キットあなたの希望通りのマスター出会えます」
....要は面倒だからとっとと出てけって事か?
ま、せっかく地図まで書いてもらったのだから、行かないわけにはいかない。ここで逃げたら男がすたる。まるで、知らない土地の雀荘に無一文で入っていくような(いや、お金はちゃんと持っていたけど)高ぶった気持ちで、地図を握りしめた。
記された雑居ビル。ここは近所でも有名だったビルだ。その昔、某●国系風俗店や某●湾系マッサージ店などが入居していて、何度も警察の摘発事件があったと言われているという、かなりモストダークな場所だ。その一番奥のドン詰まりにその店はあった。店のドアを開けると、大音量。むんと立ちこめる男臭。いわゆる女性が接待するスナックなどとはあきらかに違う雰囲気。コレは一体?さてイドの運命はいかに?
以下次号。