夜の女王のアリア。あるいは突き抜けちゃえば芸術

http://www.youtube.com/v/51q6am2SPhE&hl=ja&fs=1
とりあえず聞いてもらいましょう。コレはかの有名なオペラ「魔笛」の中でも最高イカス曲「夜の女王のアリアII」だ。某有名ボーカロイドもここまできたかって感じだ。結構感動した。
さて本題はコレではない。先日NHKFMの金曜午後の番組「気ままにクラシック」で「世界一へたくそなオペラ歌手」の歌った「夜の女王のアリア」があまりにもスザマシかったので、頭にこびりついて離れないのだ。
つまり音痴。
オペラといえば超絶技巧の連続で生半可なテクニックでは挑めない、とてつもなく敷居の高い音楽だと思っていたのだが、コレはスゴイ。
多分世界一音痴だ(←おいおい)
あまりに気になったので、ネットで調べてみたが彼女の名前「フローレンス・フォスター・ジェンキンス」というのだそうだ。番組中でも紹介されていたが、ダンナさんが大富豪で、その経済力でホールを借り切り、知り合いを集めて公演活動を続けていたらしいが、人生の最後に、大きな勝負。かの有名な音楽の殿堂カーネギーホールを借り切り単独リサイタルを決行した。驚くことに前売りチケットはあっと言う間に完売。そしてコンサート当日、ホールは大爆笑であふれかえったそうだ。
そのせいなのか?ソレとも燃え尽きてしまったのか、コンサート終了後、数週間で亡くなられた。
ぜひその歌声をもう一度聞いてみたいと探したら「医師都市伝説さん」のところでもっと詳しく紹介されていました。
http://med-legend.com/mt/archives/2005/02/post_488.html
聞いてみて、笑ってお仕舞い〜♪

などと軽く考えていたのだが、何回か聞いているうちにだんだん笑えなくなった。それどころか感動的でもある。人生のそのすべてをオペラ歌唱にかけ。人から何と言われようと死ぬまでその信念を突き通してしまった彼女の人生。コレは芸術ではないか!
もちろんオペラ的に芸術ではない。オペラは今更言うまでもなく最悪だが...その人生は最高の芸術である。
ふと「ヘンリー・ダーガー」を思い出してしまった。極貧と大富豪夫人という立ち位置こそ違うが、他人の評価などお構いなしに死ぬまで信念を貫き通す。コレこそ人生アートではないか。
え、ヘンリー・ダーガー知らないって?ググって!!
ソレにしてフローレンス・フォスター・ジェンキンス恐るべし。ちなみにアマゾンでしっかりCDが売られているし、オークションでもけっこう出品されている。意外と有名な歌手らしい。買おうかな...どうする?

人間の声の栄光????

人間の声の栄光????