「仏陀再誕」大川隆法

事の発端は一本の電話だった。
「イドさん、あなたが好きそうな映画のチケットがあるのですが、いりませんか?」
「くれ」
そんなわけでもらった前売り券が「仏陀再誕」だった。自分にチケットくれた人は、関係者だったのか?ま、それはどうでもいい。実は密かに観てみたいと思っていたのだ。こんな事を言うと信者みたいだが、そうではない。なかなか人には理解してもらえないのだが、自分はスピリチュアル関連の事象が好きだ。大好きだ。愛している!
しかしそれはあくまでwatcherの視点であってbelieverではないのだよ。ソコをぜひとも誤解して欲しくないわけだ。
どうせ劇場内はガラ空きだろうという予測を、まるで裏切らないようなガラ空き...前売り券を指定席に換えるときの「どこも全部あいていますから、好きなところどうぞ」という投げやりなセリフ。しかしよい席をとってしまったら、周りを信者関係者に囲まれてしまうのではないかという、恐れ。入場前からこれほどの心理的駆け引きを要求される映画は、それほど無いはずだ。
いい加減本編の話にしよう。多分今頃はツッコミどころ満載な映画に2チャン野郎どもがさわいでいるはずであろうから、あえてネガティブな発言は封印して語ろう。本作品は一言でいって。
幻魔大戦」である。
普通にレンタルにおいてあって、普通に「ああ、コレは人気ないだろうなあ」という感じのアニメだ。むしろ普段この様なアニメ作品など見ることもない高年齢層が数人...それが劇場内のほとんどではあったが...感動したのかしないのかよくわからない表情で存在していた。それはともかく最初から「ああ、コレは幸福流「幻魔大戦」なのだな」と思わずにいられない。物語中編に突如現れる、空を覆い尽くすような円盤群などは(この映画では空飛ぶ円盤が普通に登場する)まるでクラークの「幼年期の終わり」ではないか。でも実は幻覚。主人公の女の子(名前は忘れた)が教祖様(たぶん大川某氏の化身)より超能力を仲介して、集団幻覚を撃破。この後も同様に200メートルを超える巨大津波(幻覚)を撃破。とまあ女子高校生っ子(声の出演、小清水亜美)八面六臂の大活躍である。そしてラスト間際に突然現れる悪の権化、超絶魔神(てか...アンタ誰諸葛孔明安倍晴明?)との壮絶なる戦いの末に我らが教祖様は勝利した!!
そしてラストは皆様お待ちかねの、ご本尊様の御説教タイムです。
ついに自らが仏陀の生まれ変わりであるということカミングアウトした教祖様の説法が、自愛(慈愛ではない)あふれるCGをバックに延々と説きまくる、すばらしい、スバラシイ演出である。皆さん刮目して拝聴するべし!!
でもまあ、豪華声優陣にくわえ(作画スタッフはともかく)エンディングを飾る某有名韓国歌手(スマン勉強不足でだれだかわからん)すばらしい音楽とCGでとにかく劇場映画に仕立て上げたその力量には正直、折伏しかねない勢いである(←ここでその言語は禁句ではないか)
ま、ココまで真面目に書いてきたが(←そうか)どうでもいいのだよ。400人は入りそうな劇場に20人ほどしか封切り当日に入っていない。そんな現実を冷静にうけとめることができないかぎり、総選挙で当選0という厳しい現実が待ち受けているのだよ。まさかと思うのだがこのタイミングでのこの映画の公開というのは「衆議院選挙で大勝して、その勢いで映画公開。そして国民の大多数の折伏(←ここでこの言葉を使うのは不適当かもしれないが、この言葉が妙にしっくりくる)そして仏陀を中心にした新日本国の建国となす!!という誇大妄想的な事でも考えていたのかなあ....?
とはいえ意外と普通に作られたアニメ映画。ラストまでの演出などを観ても普通のアニメとあんまりかわらないじゃない。超能力者たちの幻魔大戦と思ってみと...
しまった!褒めようと思って書いていたのに、何故か変な方向に文章がいってしまった。とりあえず、早々に公開終了となることは目に見えているので、前売り券をお持ちの方は一刻も早く劇場に行くことをオススメする。
そうでない人は...そうねえ〜「バラッド」を観る方がいいよ。うん、間違いなく。