セブンセブンセブン

 「遙かな星が〜ふるさとだ〜♪」でお馴染みのウルトラセブンの話。
 東京の学生時代からの親友S君から突然電話があった。「実は最近息子にウルトラセブンを見せてやろうと、レンタルビデオを借り始めたのだが、あまりのおもしろさに自分がはまってしまった。ついては、あの幻の十二話を君が持っていると聞いたので、是非かして欲しい」とのこと。どうして自分が幻の十二話を持っているかと言うことは、最近五月蠅い著作権に鑑み書かないが、子供に見せようとビデオ借りてきて、親がハマるのは良くあること。最近では親(主に母親)を巻き込んでのテレビ戦略から、主人公はイケ面男優(新人)を起用するのが業界標準となっている。だが、三十年以上昔のテレビ番組でもそのような力があるとはスゴイモノである。ちなみに肝心の息子は「セブンは怖い」といって見ないそうです。アニメ大好きの我が娘も同じように仮面ライダー555は大嫌いです。仕方がないのでお父さんが毎週欠かさず見ていますけど。
 意気揚々と幻の十二話を借りに来たS君。スーパーの袋に入っていた本を三冊「コレ読んでおいて」と「ダン モロボシダンの名を借りて」「ウルトラセブンISM」「フィギュア王 特集ウルトラセブン」を置いていった。気持ちはありがたいが、この辺の情報は昔にほとんど知っていることです。なにせファン歴30年の筋金入ってますから...とはいえ、なんだこの「フィギュア王」という雑誌は?読んでいて頭が痛くなってきた。というよりかなり偏った趣味の方々向けの雑誌なのですね。しかも異様に文字が小さく、半分老眼入りかかった自分が読み続けるには苦痛である。そうか、この文字がすでに読めなくなっているような人はターゲットではないのだな。
 ところで、このフィギュア王を購読している人々から神と崇められているであろう人が自分とS君との共通の友人だということを、S君は知らない。