花見の経済学

 花見客を見越してやってきた二人の酒屋。早速現場でたる酒を開けて商売である。しかし花見客は自分の飲む酒は自分で持ってきているため、二人ともぜんぜん売れません。「隣のあんた、ぜんぜん売れてないけど、その酒うまそうだな。いっぱい俺に売ってくれ」片方が売れない憂さを晴らしたく、隣の酒を一杯買って飲んだ「くは〜うめえ、なかなかいい味じゃねえか」その様子を見ていた、今酒を売ったほうの男も「そういうお前さんもうまそうな酒だな、ひとつ俺に売ってくれ」とお金を払って一杯飲んでみた「くくく〜しみるぜ、おまえの酒も結構いけるな」「いやいや、そっちもうまいぜ、もう一杯お変わりだ」最初にかった男もお金を払って隣の男の酒をおかわりする。「くは〜」それを見ていた男も我慢などできない「よしおれももう一杯だ」と金を払って隣の男の酒を買ってのむ「ぷっは〜」
 さて、二人はこの調子で隣の酒をお互いに買っては飲み、買っては飲みしていた。気がつくと二人の酒樽は空っぽ。ふたりとも今日は完売にて無事仕事終了となったのだが...気がつくと二人とも素寒貧であった。これがすなわち「花見の経済学」というものである。これが現実に今時分のいる実演販売会場で行われているのである。気がつくと一般客より出展者への販売金額の法が多くなっていないか?自分。これは非常にまずい。自分が花見の経済学に陥らないためにも、意地でも「出展者の商品は買わない」ことが大事なのだが...買っちゃいました。日本酒。〆張鶴。だって本当においしそうだったんだよ〜勘弁してくれよ〜くは〜生き返るほどうまかった。