行ってきました警察署

 大黒様盗難の被害届を警察に出してきました。なんで自分が真っ昼間仕事もほったらかして警察へ行かなければならないのかと憤慨する。もちろん盗んだ犯人などはとても許せない。が、「盗まれたモノはしょうがない」とすでに諦めモードの陥っている我が親を見ると「なぜスグに警察へ届け出ないんだ」と、さらに憤慨。「警察は怖いところだ。警察へ被害届になんか行くと逆に犯人扱いされていろんな事を根ほり葉ほり聞かれ、三代祖先をさかのぼって、犯罪歴とか調べられて、あげくロクに調書を取ってもらえず、散々またせられて、疑われて、嫌な思いをするだけだ」訳の分からない話を延々するオヤジに、コイツぼけたかと過剰に憤慨しつつ「そりゃいつの時代の警察だ。特高警察か?今時そんな警察があるかバカ。なんでもっと早く被害届を出さないんだ」と大喧嘩の昨日。実際警察へ行ってみると、親身に話を聞いてくれて、調書も被害届もスムースに書いてもらい、そのままの流れで犯行現場のうちの工房にやって来て、写真を何枚も撮り、なんと驚いたことに「これいいですね〜一つ買っていきます」とデコイまで買っていってくれる。連絡を聞いて自転車で駆けつけた所轄の交番の若いお巡りさんも「表札の特注なんかもやっているんですね。かみさんに相談してみますけど、いいなあ〜」と注文をくれそうな気配。あまりにしょげかえっていた自分を見かねて気を使ってくれたのか?さだかではないが、嬉しかった。
 「ええと、被害金額ですけれど。だいたいいくらくらいでしょうかねえ?」いきなり自分に話を振られて困ってしまった「ええと、買った本人はもう22年も前に死んじゃいましたし、まあ同じレプリカ作るとなると、だいたい30万円位ですから、ソレくらいでお願いします」すると今まで静観していたオヤジがいきなり「それじゃたらん。100万円は軽く超える運慶作の大黒様だ〜!!」...そんなら自分がトットと警察に被害届を出しに行けよ!!
 その後ホームセンターへセンサー式の防犯アラームを兼ねたようなドアベルはないかと探しに行き、コードレスのドアベルを5000円で買ってきた。入り口に取り付け作業をあれこれやっていると、顔なじみの電機屋さんがやって来た。「いや〜参りましたよ、泥棒に入られちゃって。今更遅いんですけど、ちょっと防犯を兼ねてセンサーつけようとおもいましてね」と話し始めると「そりゃ良かった、そうですか〜あははは。イヤ良いんですよソレはそうなればいいことです。はい、良かった良かった」イヤ全然良くないんだけれど...しばらくするとオヤジがやってきて「おお、連絡するのわすれていてスミマセンでした。なんか息子がいろいろ買ってきたので、いらんです」「良かった良かった...」複雑な表情で、来たと思ったらあっという間に帰っていった電機屋さん。実はオヤジもセンサーの来客ドアベルをつけてもらおうと電機屋さんを呼び出していたのであった。電話での見積もりでは5万円...そりゃ電機屋さんも複雑な表情で帰っていくよな。