スゴいものをみてしまった。

 予定を書き込むための手帖が満杯になり、新しいのを買おうと100均ショップへ行ったときのことだ。そこはホームセンターの二階にあるところだが、そろそろ夏が近い季節的のこともあるのだろうか?ホームセンターにはカブトムシが売られていた。まだシーズン開始直後。なかなか威勢に良い、元気満載のカブトムシが飼育箱の中にいっぱいいる。さすが子供達の人気ナンバーワン。飼育箱の前には3〜4人の子供達が見入っている。箱の中のカブトムシはエサの蜜を食べるのに夢中だ。そのうち野一匹が「俺にもすわせろ」といわんばかりに、現在吸い付いているカブトムシに喧嘩を仕掛けてきた。すると「ポーン」とまるでプラウド選手かプロレスラーの様に、自分の角を巧に使い、襲いかかってきたカブトムシをほおりなげてしまった。「おお〜〜〜凄い」一部始終を眺めていた子供達も大興奮。自分もそんなカブトムシのファイトは久しぶりに見たのでびっくりした。すると、今度はそのエサの蜜を巡って三匹のカブトムシが争いを始めた。「スゲ〜、今度は3匹いっぺんにバトルだ〜」ギャラリーの子供達の興奮はヒートアップ。それにつられて大人達(自分も含めて)のギャラリーも増えだした。まるでお金でもかかっているかのような熱狂ぶり。やがてその中でのずば抜けて強い一匹が、自慢の角の必殺技で、一匹を天高くほおり投げた。「すげえ〜コイツまた勝ったよ。強ええ〜最強だ」ギャラリーの子供達も大喜びだ。
 「...ねえ、投げ飛ばされた方のカブトムシ、死んでいるよ」え....?「ホラ、さっきからぴくりともしない」えええ....よく見てみるとその投げ飛ばされたカブトムシの頭部が不自然な形に折れ曲がっている。ひええええええ〜まさか、本当の生き死にが目の前で展開しちゃったのを目撃してしまって、子供達も唖然。そりゃそうだろう。俺だってそんなの初めてみたよ。「何々どうしたの?私にも見せて」無理矢理割り込んできた自分の娘が見たが、投げとばされた瞬間を見たわけではないので、事の次第がよく理解出来ていないらしい。しばらく騒然としてしまうカブトムシ売場。となりで見ていたおっさんも一言「凄いの見ちゃいましたね」ほんとにスゴイ...