「金星の海賊」バローズ

 久しぶりのバローズである。先日Yahooオークションで全巻5冊セットを落札したのである。ようやく第一巻を読了。
 資材をなげうって独力で火星探査ロケットを完成させた希代の富豪にして冒険家、カースン・ネーピア。綿密な火星軌道への計算をしたはずが、うっかり月を計算に入れるのを忘れ(おい)大きく軌道を外れ金星へと不時着してしまった。そして金星とは...火星ほど突拍子のない世界ではなかった。
 いきなりツッコミどころ満載で始まった金星シリーズではあるが、第一巻はまだ「壮大なプロローグ」といった所だ。本格的な奇想天外な冒険嘆は第二巻から始まりそうだ。それにしても竹部本一郎画伯のイラストは最高だ。今のところ第二巻の冒頭まで読んだが、なにやらバローズの政治哲学的な話が始まりそうな雰囲気だ。いまいち金星という世界観をうまく表現しきっていない様ではあるが、そこは天下のバローズ様だ。きっと第二巻以降とんでもない発想の物語を語ってくれることであろう。実際第二巻は冒頭から大冒険バローズ節大炸裂である。
 火星に渡ったジョン・カーターの場合は地球との重力の違いで超人的な跳躍力を見せスーパーマンのような活躍を見せるのだが、今のところカースン氏は、地球と対して重力の違わない金星で、超人的な力を出せるわけもなく悪戦苦闘している。ガンバレー。
 早速コレもアファリエイト〜と思ったら、ないない、ISBNコードがない。どうも20年以上前に、とっくに廃盤になっているようだ...