ノルシュテイン

 DVDプレイヤーを持っていなかったのだから、今までみれなかったのは当然としても、ようやくナニ不自由なくDVD「ユーリ・ノルシュテイン作品集」がみられる環境になった。評価の高い「話の話」とかではなくて、はっきりいえばソビエト連邦バンザイ的なプロパガンダアニメなどがみれてうれしい。プロパガンダアニメは当時のスターリン圧政時代を情報として知っている世代にとっては、限りなくカスな映像なのだが、それ故プロパガンダはうつくしい。もっとも汚い映像でプロパガンダしても意味ないし。そういうところがいやになってかつて共産圏の映像作家たちは独特な映像表現を追求してきたのだろうな。先日みた「イジートゥルンカ」にしてもそうだけれど、童話的世界のなかにかなり辛辣な体制批判が隠されている...いや、ほとんど全然隠れていないが...
 とにかく、コンピュータにまみれたジャパニメーションを見慣れた目には、かなり新鮮で驚異的な映像である。あるいは、拒否して全然見ないかだけである。
 ところで共産圏といえば、近年著しい発展を遂げて、世界の覇者になろうとの勢いの中国だが、ここも昔のアニメのクオリティといったらすごいモノがある。「鹿鈴」とか「ナージャ大暴れ」(「明日のナージャ」ではない)など、中国の独自文化を根底においたすばらしい作品群があるのだが...現在では「鉄腕アトム」などの下請けをやっていた。やってはいたが、自分的に鉄腕アトムは脚本よし動画よしでなかなかグッドな作品だったのだが...やはりここは中国アニメの底力を見せてほしい。旧共産圏のアニメーションは、すごいモノがあるのだ。正直とっつきにくいけれどもね。
 ところで以前持っていたレーザーディスク版のノルシュテイン作品集はナレーションに日本後がアフレコされており、その声が「江守徹」だったりのだが、DVD版は言語である。コレってひょっとしてノルシュテインの肉声?実は彼はアニメ監督で名を馳すまえは、アニメ声優として有名だったとい話がある。ソレはソレとして日本語版の「江守徹」も結構捨てがたいんだけれど...DVD版には不採用。ちょっと残念である。

ユーリ・ノルシュテイン作品集 [DVD]

ユーリ・ノルシュテイン作品集 [DVD]