暴言カレー

今日も昨日に引き続き、激痛で右腕が動かなくなったオフクロに代わり家事を仕切る。午前中に今日の食事を全部用意しようと考え、そうなると必然的にネタは限られてくる。昨日オヤジが作り置きしていたモツ煮込みをお昼のおかずにして、夕食には久しぶりにカレーを作ろうと奮闘する。実は自分はカラーがうまいのだ。自己申告だが。冷蔵庫の中にはなぜか開封後にほったかしにされたカレールーがゴロゴロしている。くわえて昨日のモツ煮込み製作のために、タマネギ、ジャガイモ、にんじん、ニンニクなどもゴロゴロしている。これはカレーを作ってくれと言わんばかりではないか。そこで娘と一緒にカレーを作ろうとしたが...肉がない。シマッタ、思わぬ落とし穴だ。近所の高級肉屋(霜降りスキヤキ牛100グラム1000円なんてのがゴロゴロしている)へ行き「すんません、カレー用肉188円の安い方200ください」他にご用はないですかとの少女店員の誘惑の言葉に見栄を張り追加注文することもなく、税込み400円ちょっとを支払い帰宅。そのままカレー製作に没頭する。途中片栗粉を入れようとかウメボシを入れようとかヨーグルトを入れようとか、あきらかに伊藤家の食卓より仕入れてきたであろうTipsを試そうとする娘に「おもしろそうだからどんどんやれ」と片っ端からアイディア採用。カレールーを入れる前に真空保温鍋で二時間。ルーを溶かしてもう二時間。じっくり寝かせて(本当は翌日の方がいい)ようやくできたカレーを一口食うなり、娘「辛い」おいおい、カレーは辛いと昔から決まっているんだ。どれどれお父さんに一口味見させてみろ。ここで気がついたが、これが今日初めての味見だ。ん...全然辛くないじゃないか。娘の味覚を少し甘やかせすぎたようだ。「もういらないごちそうさま」数口食べたきりの娘。気がつくとこのカレーを食べているのは自分とオフクロだけだ...オヤジは皿に盛りつけもしねえ。昨日オヤジ自ら作ったモツ煮込みと冷凍戻しの焼き鳥をレンジで温めて喰ってやがる。そうかい。そういうことかい。いいよ、そんなに食べたくなかったら自分一人で食い尽くしてやる。やけくそ気味に一口食べると「む、うまい」うまいじゃないか。いや本当に、久しぶりにうまいカレーを食ったぞ。
割と充実した一日。どうやら自分は家事仕事に向いているらしい。どなたか専業主夫にいかがですか?嘘、カレーしか作れねえし。