「本棚探偵の回想」喜国雅彦

さて、ここんところ「文化強化週間」ということを自分に定め、読書にせいをだしていました。地元での催事が切れてしまい、ヒマになってしまったから。悲しいことではあるが、おかげで本が沢山よめてうれしいな。「本棚探偵の回想」この本はちょっと前に、よく行く本屋さんで大量に平積みになっていた。重厚な箱入り。今時珍しい装丁なので一際目をひいたことは言うまでもない。ちょっと立ち読みしたいなとは思ったが、ソコは箱入りハードカバー。冷やかし客を完璧に拒否している。
作者の名前も気になった。喜国雅彦...?...なんか昔、貧乏な親子の四コママンガで一世を風靡した漫画家とよく似た名前だな、と。こんな「本棚探偵」なんて奇妙な探偵のミステリを書く、漫画家とよく似た名前の作家なんて、自分は知らないぞ。
実際に図書館でこの本を見つけるまでそう思いこんでいた。恥ずかしい。
そう、その四コママンガの漫画家が書いた本であった。
しかもなぜか「小説コーナー」においてなくて「本のコーナー」においてあった。パラパラめくってみると「古本蒐集家のぼやき」とでも言うような内容だった。アノ重厚な箱入り装丁からはカケラも想像できない軽いお話が満載...ダマサレテシマッタ。
漫画家喜国雅彦が実は古本マニアで、それもミステリに特化している蒐集家だったなんて全然知らなかった。言われてみればみょうに幻想小説っぽいヘンタイ的な主人公が恋愛するマンガなんかも描いていたっけ。それにしてもこの本の中に記されているような収集生活をしていたら、いったいいつマンガを書いているんだいつ本を読んでいるんだろうと素朴の疑問が湧いてくるものだが「集める本と読む本は違います」とハッキリ宣言されておられる。立派である。
漫画家、喜国を頭に思い描きながら読んでみるとかなりおもしろい本です。文庫化したらぜひ読んでみてください。箱入りの高価な状態じゃ、必ず買った後に後悔します。保証します。
自分も図書館から借りてきて読んで、よかった...

本棚探偵の回想

本棚探偵の回想