ボランティアなど似合わない

この前の日曜日に町内会の町内清掃ボランティアへ参加した。初参加。元々ボランティアはおろか、この手の集団行動はめっきり苦手。そのくせ先日の町内会夏祭りへも焼きそば作りボランティアなんかへ行ったりしている。訳がわからない。
ところが指定された集合場所へ集まると、すでに町内の重鎮らしき人たちが沢山にて「この辺はあらかたゴミ拾いおわったぞ」と...さすが老人、朝は早い。とりあえずゴミ袋をもらって町内を回るが、やはりゴミなど皆無...なければないで妙に意地になり「ゴミはないか!!」と町内中を探し回る。気がつくと一緒に出発した人たちは誰もおらず、自分一人で、路地の裏や家と家の隙間をのぞき回っている。コレが町内のボランティアゴミ拾いじゃなかったら、かなり怪しい人間だ。気がつくと川の土手の上までやってきた。フト下を見ると、あ、あった!!土手の下にかなり大物のゴミだ!!コレは大収穫だ。スグに拾いに行かなくちゃ〜と数歩近づいたところ...この世の物とは思えない悪臭が漂ってきた...うっ...
腐ってやがる。
うげ、やっぱ見なかったことにしようか?30秒ほど悩むが、やはりソコはボランティア精神に反するのではないかと、勇気をふりしぼり、そのゴミに近づく。近づくほどに臭気は倍増する。本当に拾うつもりか?遠目で見ても中身がわからない。一様スーパーのポリ袋にくるまってはいるが、中身は完全に原型をとどめぬほど腐敗しきっていた。
朝ご飯を食べずに来てよかった。
胃袋に何かはいっていたら、必ず戻して、さらにゴミを増やすところだった。猛烈にえづきながら、その物体をゴミ袋に回収して、ちから一杯袋を結ぶ。体中に腐敗臭がしみこんでいるのを実感する。
「イドさん!!一体こんな物どこで拾ってきたんですか?」
ゴミ回収ボランティアという美名などどこかへ飛んでしまったようなセリフが飛び交う集合会場。無理もない、本当にものすごい異臭、腐敗臭なのだ。とりあえず、ばっと投げ捨て、参加賞の缶ジュースをひったくり逃げ帰る。あまりの臭さに、帰宅と同時にフロに駆け込み、全身をくまなく洗う。しかしにおいはなかなか取れない。朝飯抜きで出かけたから空腹のはずだが、まるで食欲が湧かない。涙目。
あのゴミはいったい何だったんだろうか?
原型を全くとどめないほど腐敗していたから、今となっては何とも言えない。が、御時勢がら、ひょっとしたらうち捨てられた子猫じゃないかと...いや、まさか...タヒチじゃないんだから...