「徳川女系図」石井輝男

コレを普通の映画だとおもってみると頭が痛くなるが...むしろ「ムトゥ踊るマハラジャ」当たりを違和感なく許容できる人ならきっと好きになるだろう。
ご存じ犬公方、好色将軍徳川綱吉の大奥御乱交物語。政道は柳沢吉保に任せっきりで大奥に入り浸り、色の道を究めんとする。そうはいっても今見るとなかなかほのぼのとした時代劇ポルノだ。話になんの脈絡もなくはじまる半裸の女性達のどんちゃん騒ぎ。そう、物語の途中で突然歌い出すあの踊るマハラジャだ。しまいには女官達が集団でふんどし一丁で(力士がつける「まわし」ではない)女相撲大会がはじまるに至っては、脳みそが沸騰するくらい不条理である。もしこのころ黒船が来ていたら、間違いなく日本は西洋列強の植民地になっていたこと間違いナシだ。
こんな妙な映画なのだが、レンタルでは異常に回転率がいいらしく、貸し出し中の頻度が高い(←人のことは言えない)
物語の最後には小池朝男ふんする忠臣が、命を賭して上様に御注進するのだが、今更改心しても、将軍様そりゃ遅いよっていう話。
子供の頃、町の中心には映画館があり、そこかしこにエッチなポスターが貼ってあったが、そのころちらちら横目で見ながら学校へ登下校していたあのポスターはこんな映画のポスターだったんだと、30年以上経ってからわかった。
おおらかな時代だったのかな...
はまぞうでDVDがヒットしなかったので、こちらをご参照
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/55433