シルバー假面

チルバー!!のかけ声も懐かしく、巨大化する前作とは違い、セリフ棒読み「シルバー」で変身する美少女版シルバー仮面...じゃなくて假面。とりあえず特撮巨人実相寺昭雄監督の遺作(第一話のみ監督)なので、過剰な期待と共に拝見したのであった。とほほ。
さすが第一話は御大の映像美学爆裂でそれなりにおもしろかったが...戦闘シーンで蜘蛛男の吊り天井(プロレス技)はないでしょう〜それでも「大正、ニッポン、浅草」という日本人なら誰もがグッと来る演出で「この後一体どうなるのだろうか?」というわくわく感でいっぱいだ。
いきなり第二話では、ココまで白々しい画像演出でコンピュータグラフィックスを使うか?といった感じ。まるで切り絵アニメーション。コレはコレで素晴らしい。のだが...あの、田舎のドイツ人達が奇妙な日本語吹き替えでしゃべり出すこのお話って、本当にコレで良いの?なんか懐かしの東宝特撮映画の悪漢外国人達が退去して演技しているレトロ感...わかる人しかわからない、むちゃくちゃな演出に、脳みそがとろけそうになる。自分的には、好きだが。
そして第三話。ま、とりあえずコレで最終回なのでお話しをまとめなければならない。そんなわけでうまくまとまりましたというお話し。いまさらいうまでもないが、「カリガリ博士」も「マリア」も原典は大昔のドイツ映画。カリガリ博士はそのまんま映画のタイトルだけど、マリアはモチロン名作「メトロポリス」に出てきたロボット「マリア」である。原典版に比べてえらく不細工なマリアではあったが...侵略する宇宙人と地球に住んでいる人間達ではどちらがマシかという、この物語のテーマとも言える問題が(そんな大げさに思えないが)そこかしこにかいま見られる。
というか、結局カリガリ博士のキャスティングが絶妙で、他の脇役達も素晴らしかった作品といえよう。主人公の演技と吹き替えドイツ人に関しては見なかったことにしよう。
というか、女シルバーが柴本幸柴俊夫@初代シルバー仮面の娘)ではなぜいけなかったんだ!!と、勝手に憤慨している今日この頃であった。
モチロン万人に勧められる作品ではない事は言うまでもない。実相寺フリークに送る最期の作品だ。
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