「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」村上春樹

残念〜また今年もノーベル文学賞もらえませんでした〜まあ、まだまだ時間はあるので、これからもずっと傑作を書き続けてください。
ああ、村上春樹にはずれナシ。
と言うわけで、今回読んだ村上春樹はかなり昔の作品だ。文庫本では上下二巻になっている本書だが、初めて出たときは一冊のハードカバー(しかも箱入り)そんな一冊がナニをどう間違ったかブックオフの百円均一コーナー(税込み百五円)にあるではないか!!即購入。しかし自分の定説「買った本は読まない」というわけで、一年近くツンドク状態になってしまっていた。ようやく読んだ。めでたく読了だ。やっぱり...
プリーストの不条理小説っぽくね?
というか、ココまで古い本だとどっちが先だと言いにくい。むしろシンクロニシティだかセレンディピティだかわからないけど、こういう作品を書こうと思う人間が偶然世界のどこかに何人いても不思議はないような気がする。
ほんと、何度も言ってるけどプリーストと村上春樹って作風がにてないか?ひょっとしてイギリスじゃプリーストがノーベル文学賞なんか候補になっていないのかねえ?
いまさらだけど、本書は「世界の終わり」という物語と「ハードボイルドワンダーランド」という二つの構成で成り立っていて「ハードボイルドワンダーランド」が終了した後の世界が「世界の終わり」なのである。これが2〜30ページくらいずつ交代で、パラレルワールドのように構成されている。自分はその表層の文字を追っていくだけで、現実を遙かに離れた世界を遊泳できる感覚に陥る。難しいことはわからないけど、その陥った感覚ってのがとても楽しいので、村上春樹はやめられない。
ずいぶんと感覚的な奇妙な感想になってしまったが、本編が奇妙な作品なので仕方がない。多分読んだ人、一人一人が「コレはひょっとしたら自分の為に書かれた小説では」とつい錯覚してしまう作品だ。
そしてソレがいかにすごいことか、知ることができるのは幸いである。
...ほめすぎか?ま、ひらたくいえば「わけのわからない小説」なんだけれどもね。わけがわからなくても、ぜんぜんOK。大好きだ。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)