「エデン」スタニスワフ・レム

本作と「ソラリスの陽のもとに」と「砂漠の惑星」この三作品はレムの異生命体との接触を主題にした一連の作品と言われている。自分は「砂漠の惑星」しか読んでいなかった。ソレも高校時代に1回読んだだけなので、内容は忘れた。ソラリスは何度か映画化された作品だし、一番有名だったので、てっきり読んでいたかと思っていたが、よく考えたら読んでいなかった。タルコフスキーの映画版を見たことあったので、てっきり読んだ者と思いこんでいたのだった。もっとも映画版も全部見終わるまで何回眠ってしまったことか。
本作品はそんなレムの接触モノの中では最初に書かれた作品で、SF的小道具はともかく、割とまともな異生命体との接触ができたモノと思う。割とまともな分、お話しはそんなにおもしろいとは思えないのが残念。むしろ物語の始まりで、計算ミスから惑星エデンに墜落し、そこから体勢を立て直していく描写の方がおもしろかった。あまり異生命体の存在のイメージがいまいち広がらなかった感じがする。まあ、まともなベム像だ(表現が変かなあ?)
ここまできたらソラリスも読みたい。砂漠の惑星も読み直したい。しかし砂漠の惑星は、どうも図書館には蔵書がないようだ。案外この辺の早川SFって手に入りにくいのかもしれない。

エデン (ハヤカワ文庫SF)

エデン (ハヤカワ文庫SF)