「鉄人28号 白昼の残月」

三体の怪ロボット軍団に苦戦する鉄人と金田正太郎少年探偵。そこへ颯爽と現れ鉄人操縦期を借り受け絶妙なる操縦で圧倒的な強さで敵ロボット達を一瞬にたたきつぶす謎の青年が現れた。唖然とする金田少年と敷島博士達を前に謎の青年は名を名乗る「私の名前は正太郎」?????
圧倒的な衝撃と共にはじまった平成アニメ映画版鉄人28号は、二人の正太郎という驚愕な展開から幕を開けた。
自分らの世代だとSFといえば「近未来の物語」なのだが、そんな偏見を軽く超えた「旧世界の物語」であり、昭和のノスタルジイ満載の本作。SF版「三丁目の夕日」とでも言うか。例によって謎満載の今川演出かと思いきや、ミステリ具合もちょうど良い感じできっちり完結していて良かった。これが延々「じつは何とか計画がこの後云々」とか来たらどうしようと思ってしまった。考えすぎだ。
昔ながらの横山の絵柄がこんなにマッチするとは思わなかった。とはいえモノクロ版旧作鉄人28号新潟県ではかなり不遇な扱いで、本放送が一回あったきりで、再放送が一切なかったはずだ。本放送当時の記憶...多分幼稚園にも上がっていたかどうか怪しいモノだ、自分...何となく日曜日の早朝にやっていたような気がするが...?
本作は何より全編を奏でる、血湧き肉躍る「伊福部マーチ」に胸はずむ!!なんか妙に伊福部っぽいなあと思っていたが、エンドロール確かに確認した。このころ巨匠は死んでいたと思うので、たぶん生前の作品からの転用だと思うけど、どれからかは解らなかった。録音状態から平成ゴジラシリーズかな?それとも旧作のスコアから新録音しなおしたヤツだろうか?「わんぱく王子の大蛇退治」あたりだろうか?チョット解らない。
昔、自分ちにあった鉄人のマンガ本には敵ロボット「モンスター」が登場していたので、かなり思い入れがあるのだが、どうも端役というか、やられ役というかいつも不遇である。どうもかなり弱いようで、先に見たジャイアントロボでも一瞬しか出てこない。ま、どうでもいいが。
金田博士が鉄人計画と共に、来るべき本土決戦に備え開発した究極兵器「廃墟弾」が不発弾の形で見つかる。そして沢山埋められている廃墟弾のありかを鉄人だけが知っていると言う。正太郎の操縦機では操作不能になった鉄人が、次々廃墟弾を見つけ破戒していくのだが、実はソレは恐ろしい陰謀の幕開けであった。
とまあ、後は見てのお楽しみと言うことで。涙なしでは見られない傑作でありますぞ〜!!

鉄人28号 白昼の残月 DVD

鉄人28号 白昼の残月 DVD

おおっと!!オリジナルサウンドトラックも出ているぞ。演奏は日本フィル。
伊福部昭先生、最高!
劇場版「鉄人28号 白昼の残月」オリジナルサウンドトラック

劇場版「鉄人28号 白昼の残月」オリジナルサウンドトラック