「虚空の遺産」エドモンド・ハミルトン

キャプテンフューチャーで有名なエドモンド・ハミルトン。あと「スターウルフ」が有名。自分はソレしか知らない。しかしキャプテンフューチャーもスターウルフも結構思い入れがある。どちらも高校時代にテレビで放映されていて、方やアニメ、方や円谷の特撮である。当時は今ほどアニメも特撮もせんたくのよちはないので、当然二作とも一週も欠かさず見続けていたものだ。キャプテンフューチャーのアニメは現在でもほとんど評価されないくらい不遇な作品で、DVDどころかビデオにすらならなかったのではないか?何せかの大名作「未来少年コナン」の後番組として、鳴り物入りではじまったNHKアニメ第二弾だったのだし〜キャプテン役は今はなき広川太一郎氏がアドリブギャグを封印して当たっていた。何せお正月にスペシャル番組が放送されたくらいだから、その力の入れ様は想像してもらうしかない。いや、そんなつまらない番組ではなかったしそれなりにおもしろかったと思うのだが、何せ前番組が伝説の「未来少年コナン」こりゃその後みんなの記憶から消え失せてしまったのも、無理のないことだ。
そしてスターウルフに至っては、放送のかなり前から、日本におけるSFの殿堂「SFマガジン」にて特集が組まれるくらいの期待大の番組だった。サンヨー電機の一社単独提供で当時では破格の一話一千万円という制作費で、オプチカル合成バリバリのとんでもない作品だった。円谷お得意の怪獣こそは出なかったが(ニポポってのが若干一匹でたが)前半13話はまさにSF!!...ところだが、どうも話が迷走しまくりたおして、人気もなく後半13話は子供向けに中途半端にシフトする、ヘタレた戦えマイティジャックみたいな番組になってしまった。
そんなわけで、日本ではほとんど良い印象のないエドモンド・ハミルトンだが、そんな彼のSF作品が本書なわけで、たまたま入った古本屋で50円で売っていたので興味本位で買ってみた。
時は東西冷戦が続いているという設定の近未来。月のアメリカ基地の地下から、太古の宇宙人の遺跡と思われる文献が発見された。ソレを解読するために主人公たちは月基地に招集されるのだが、ソコには驚愕な謎が隠されていた。遺跡を残した宇宙人が人類の祖先なのだ。ああビックリ仰天、ネタバレだ(あまり本編に支障なし)そして文献に書かれた宇宙航法可能なロケットの製造方法を解読して作り出し、遺跡を作った宇宙人たちの母星へ出かけることになった。
オープニングのあらすじだけをかいつまむと、人類の出自にかかわる異姓生物とのファーストコンタクトをあつかう雄大スペースオペラってなかんじがするが、すでにスタニスラフ・レムとかを愛読しているこっちの身になってもらえば、モノスゴクつまらないものだった。どおりでSFの大御所ハミルトンの作品なのに、ぜんぜん知らなかったはずだ。
たまにはこんな歴史的ハズレ作品に出会うのも、古本読書の楽しみでもあるので、ぜんぜん問題ない。
ほぼ自分のハミルトン思い出話で終わってしまった。でもスターウルフの主題歌を歌っていた「ヒデ夕樹」はよかったなあ〜(「ひでたじゅ」ではなくて「ひでゆうき」と読む)


Yahooオークションに画像があったので、拾ってみた。
ググッてみたら、意外と好評なようだ。そういうものかねえ...