偉大なる真空管

昨日もチョット書いたが最近は持病の不眠症対策にNHK第一の「ラジオ深夜便」を聞いている。効き目の弱い睡眠導入剤よりよく効く「ラジオ深夜便」熟睡できます。
ただ困ったことにラジオ深夜便を聴かないと、なかなか寝つけなくなってしまった。ま、対策はまた考えるよ。
さて自分が深夜便を聴くにあたり愛用しているのがこのラジオだ。

made in USAの真空管ラジオ。え?真空管を知らないって!ま、元祖CPUだと思ってくれ(←ぜんぜん違う)まだインターネットが「パソコン通信」と呼ばれていた時代に、オークションみたいにして販売されていた物を買ったのだ。何せ子供の頃からのラジオ好きだったので、こういったレトロな物には目がないのだ。
一ヶ月ほど前に馴染みのロックカフェへ行くと、ソコのマスターが「実はラジオ深夜便のヘビーユーザーなんだよ、オレ」という話になった。よくよく聴くと、真の深夜便ファンは「AMで聴くんだよね」とのこと。現在ではより高音質なFM放送でも深夜便をやっているのだが、ソコをあえて弩アナログチックなAMラジオで聴くのがツウなのだそうだ。「ふーん」と聞き流せばよかったのだが、なぜかそこでむくむくと対抗心がふくれあがり「よし、自分はただのAM放送ではなくて、真空管ラジオ...しかもmade in USAで聴いてやる!!」と妙な対抗心を燃やしてしまったのだ。
ばかだねえ...
ところで真空管だが、最近は高級ギターアップか高級オーディオくらいにしか使われていない。逆に貴重な物となってしまった。その昔、自分がシロウトバンドをしていたときに、ギターやっていた人が真空管フェンダーアンプを使っていたが「コレ真空管切れたらどうするんですか?」と聞いたところ「(当時)ソビエトで普通に作っているからいくらでも手にはいるから大丈夫」と...実は彼、海上保安庁勤務。新潟はソビエトに近いから、当然そちら事情にはかなり詳しいわけだ。
さて、自分が使っているラジオはアメリカ製だが、これがお世辞にも性能が良いとは言えない。真空管独特の現象だが、スイッチを入れてから真空管が暖まるまでの五分間くらいは音が出ない。現在のオーディオになれた人には信じがたい現象だ。だがそれどころではなくて、きっちり動作が安定するまで30分以上はかかる。その間、音が突然大きくなったり、逆に無音になったりする。こんな不自由を「よいよい、カワイイやつめ」と愛されるようになると、あなたも立派な真空管フェチである。
あまりに便利になった世の中に、あえて不自由さを楽しむ。コレこそが究極のエコライフではないか?諸君。
冷静に考えてみたら、市販されている普通のポータブルラジオに比べたら、過剰に電力を食らう、環境高負荷製品であることは間違いなのだが(←おいおい)よくオーディオマニアがいう「真空管の音は温かみがあっていいんだよね〜」それは?そんなこと、いまだに実感したことがないよ(←おいおい)