お久しぶり、最近読んだ本

お久しぶりっていうか?誰も興味ないと思う恒例コーナー。
ハイペリオンの没落」ダン・シモンズ
長いなあ。なんて長い物語だろう。とりあえず各巻ごとにお話しは完結しているように思えるのでOK。意外な結末はたくさんある。「この先どうなるんだろう」的なワクワク感を楽しむだけでOK。行間を読むとかはない小説。即物的だが、いかにもアメリカンなお話作りはスティーブン・キングに通じるかもしれない。敵方(でいいとおもうが)の説教じみたご託が仏教の説法的で意味不明だが、全体はキリスト教的文化の下地であふれている...と思うのだが、断言できるほどの自身はない。どうでもイイがちょっと前にテレビでやっていた「エウレカセブン」で、体内に同化する阿弥陀ドライブのモトネタはコレだったんたよね、きっと。もっとも阿弥陀ではなくて十字架だけど。

ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオンダン・シモンズ
で、「ハイペリオンの没落」の続き。どっちかというと新シリーズの開始。主人公も前作までとはちがい、エンディミオン君である。彼がお伴をすることになった少女(いかにも萌え〜てな感じだが)アイネイアーは非常に重要な少女であるらしく、彼女を頂点とするキャラバンでの惑星彷徨と修行の旅。そしてそれを追う敵も彷徨と修行の日々。どうも作者はこのシリーズ全編を通じて「苦行」を登場人物達に課すことを主観においているとしか思えない、どサドである。とりあえずアイネイアー三蔵法師で、孫悟空エンディミオン。体が緑色なのでアンドロイドのベティックは沙悟浄人工知能搭載の宇宙船が白竜だとして...すると猪八戒は当然敵方のデ・ソヤ神父大佐か?というわけで本書はSF版西遊記である。
SF西遊記スタージンガーってアニメが昔あったなあ...「ジャンドンサ〜♪」っていうような脱力系な主題歌。確か原作は松本零士...ヽ(´ー`)ノ
エンディミオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

獣の奏者 完結編」上橋菜穂子
ああ、やっぱりハッピーエンドになるはずがないと思っていたけど...考えてみればこの前身になる「闘蛇編」「王獣編」が土曜日の夕方のファミリータイムでアニメ放送されること自体がとんでもない事件だった。決してハッピーな展開になるはずのない物語をよくぞ放送した。NHK教育は時たまとてつもないことをする。もっとも自分はその裏番組の「週刊こどもニュース」を欠かさず観ていたので、皮肉なことだ。再放送は土曜深夜11時からやっているが、むしろこの時間帯の方がしっくり来る。それもこの土曜日の放送で最終回だ。
その最終回以降の物語が綴られる「探求編」と「完結編」だが、本書の無常観はいったい何と言えばいいのか?こうなるしかない結末ではあるがあまりに無情。とても子供向け文学とは思えない。でも、作者自体からして子供向けに書いている気持ちなどはさらさら無いであろうし、あえて課題図書風な装丁にした出版社の思惑もさもありなん。自分が思うほど子供は子供ではない!と言うことに気がつけよと作者に怒られている気分がする。多分それが正解。
獣の奏者 (4)完結編

獣の奏者 (4)完結編

「ロウソクの科学」ファラデー
古典的名作。でも非常に読みつらいのはなぜ?きっとそれは口述筆記だからだ。超名門学校に招かれて理科の講師をするファラデー。その講義をそっくりそのまま見学した記者が記録したしたものだから、口語をそのまま活字にすれば、ことばがものすごく回りくどい事になる。理科離れが進んでいる昨今の子供達にこの本を読ませても「は??」となること間違いなし。言いたいことは何となく伝わるが、難しすぎる。もう少し言葉を選んで簡潔に書いてくれればよかったのに...でもそれをすると多分50ページくらいの本になってしまうだろう。
ロウソクの科学 (角川文庫)

ロウソクの科学 (角川文庫)

もっと沢山読んでいると思ったけど、意外に少ない最近の読書。ま、早く読めばいいってなものじゃないし、のんびり行くのもいいではないか?