放送大学の難問

先日の高崎出張で夜はヒマなのでラジオを聞いていた。番組は放送大学。実は見た目と違いインテリなのだよ自分は(エッヘン)いや、意外におもしろいよ放送大学は。東京と、なぜか群馬県内ではFMで放送しているよ。残念ながら、わが地元新潟県ではやっていない。
その日の講義のタイトルは何だったのか覚えていない。どうも「命題」とか言っていたから数学の講義なのだろうか?その割には数式一つ出てこなかったけど。30分ほどの講義で、その内容がまさにパズル。数式も図形もなにも使わない、言葉だけ使ったパズルだった。こんな内容だ...

あなたは死んでしまった。あなたは今、天国へ向かう道を一人歩いている。しばらく歩いていると村についた。その村から道は二本に分かれていた。そして、その分岐点にはこんな立て札があった。

「この先、道は天国への道と地獄への道...二つに分かれている。どちらが天国へと行く道かは村人達が知っているので聞くとよい。
ただし質問はたった一人の村人に、たった一度しかできない。
そして村人達は質問に対して「はい」か「いいえ」としか答えられない。
たとえば、どちらが天国への道ですかと聞いても「右」や「左」といった具体的な答えはできない。答えはいつも「Yes or No」だけだ。
ところでこの村の住人は、見た目では全くわからないが「正直人間」と「嘘つき人間」の2種類がいる。
正直人間は答えを正直に答えることしかできないが、嘘つき人間は必ず嘘をつく」

さてこんな状況ではあるが、あなたはやはり天国へ行きたいわけだ。さあ、あなたなら村人達に何と質問したらよいだろうか?

なんじゃこりゃ?
単純に考えると、誰か村人をつかまえて天国への道を聞こうとしても、その村人が正直人間か嘘つき人間か外見からでは全くわからないので、質問してもその答えが正しいかウソかはわからない。
本当は右が天国への道だとして「右が天国への道ですか?」とあなたが質問したとしよう。もし村人が正直人間なら「はい」と答え、もし嘘つき人間なら「いいえ」と必ず答える。
それならあらかじめ「あなたは正直人間ですか?」と聞いた後で、どちらが天国への道か聞けばいいわけだが...「質問はたった一人の村人に、たった一度しかできない」という厳しい縛りがあるので「正直人間ですか?」と尋ねたところで、たった一度の質問チャンスは終了だ(そのためこのあと「どちらが天国への道ですか」と聞いても答えてくれない)
さあ〜どうするどうする!!!
...ってなところで放送大学の講義は終了してしまった。この回答は次回の放送でと講師が言っていたが...だから新潟では放送大学のFM放送はやっていないんだって!!
答えはわからないし、解らなければわからないで気になってしょうがない。こりゃもう運を天に任せて、二分の一の確立で目をつぶり、どちらかの道を突っ切るしかないだろう!!と、ヤケを起こしかけたときに、天啓がしらめいた!!

「天国へ行く道が右というのは『ウソ』だ」と聞く。

どうだ!コレは正解か?じゃチョット検証してみようか。
右の道が本当に天国へ行く道だったとして、質問しようとして捕まえた村人が正直人間だった場合...右は天国行きの道で、地獄行きの道ではないので『ウソ』ではなく『本当』のことだから、当然「いいえ」と村人は答える。
同じように右の道が本当に天国へ行く道だったとして、質問しようとして捕まえた村人が嘘つき人間だった場合...嘘つき人間は『必ずウソをつかなければならない』という命題を抱えている。
「天国へ行く道が右というのは『ウソ』だ」
左が地獄行きの道だから「はい」と答えたいところだが、それだとウソのウソが本当?と言うことになるのか、え?いやそれはウソを言っていることではなくて、ウソはあくまでウソだから...ええと...キーッ!!(錯乱中)

「嘘つき人間が「天国へ行く道が右」と言っているのは『ウソ』だよね」

これでどうだっ!!
紀元前の昔から語り継がれてきた「クレタ人の話」を思い出した。
クレタ人はウソつきだ」とクレタ人に聞いたときに「はい」と答えると本当にクレタ人はウソつきになり、でも答えたクレタ人は正直者になってしまう。これでは最初の「クレタ人はウソつき」という命題に反してしまう。
嘘つき人間の目的は「ウソをつくこと」であって「死者を天国へ行かせないこと」が目的ではないのだよね?この辺が何かヒントになっているとは思うのだが....
結局ここ数日間、こんな事ばかり考えていて頭がパンクしそうになった。
ところで誰かこの放送大学の問題の答えを聞いた人がいたら、コッソリ自分に教えてくれないか?なにぶん新潟では放送していないもので。多分、この答えで正解だとは思うのだけれど、うまく説明できない。ヽ(´ー`)ノ
とほほ、ギブアップ寸前だ。