時代劇

最近テレビで時代劇が激減したなあ..あ、韓国系のとか昔の座頭市とかのなつかしい衛星放送のヤツは別ね。
んでもって、今更ながら小説の時代劇ってのが人気が増してきているのではないか、最近は。
大抵こんな時は地上波特番で新作「剣客商売」とかやるのだから、新作鬼平もできるかもしれない。
しかしそんな時代だからこそあえて紹介したい。その名も
「顎十郎捕物帖」
久生十蘭大先生の渾身の連作。
何がおもしろいって、この顎十郎は、どう考えても石森章太郎の漫画に出てくる親分や探偵のモデルはコレじゃないかと(異常にアゴがでかい)いうところだ。作品自体はすでにわすれられてしまってはいるが、図書館などで無理矢理「貸してくれ」と頼めば、多分どこでも手に入る普通の書籍だ。
推理モノ的には斬新なアイディアあふれてすこぶるおもしろいのだが、いかんせん短編小説の達人、久生十蘭の作品なので、短い文章に情報詰め込みすぎ。そして解決された事件は唐突に終わり、余韻ナシ。
さあ、ここまで悪口書いちゃったけど、これが日本のミステリ〜黎明期の名作ともなれば、読まないアンタはミステリファンを名のってはいけないという名作だ。
ココまで褒めれば読みたくなったでしょう?
何だか最近日本の書痴世界では久生十蘭をブレイクさせようという闇の動きがうごめいているようでならないのだが...気のせいだろうか?

顎十郎捕物帳 (朝日文庫)

顎十郎捕物帳 (朝日文庫)