今日のバローズ。

 シリーズ第三巻「火星の大元帥カーター」とつぜん大元帥になっちゃいました。この本に尽きず、突然の展開が多いよな〜一様コレにて前半終了ということ。
 「火星のプリンセス」が驚異的な火星の生態や習慣、科学力の描写。「火星の女神イサス」では巧妙に人々を支配する宗教システムを粉砕するカーター。と、なんだか現在の世界風刺のような物語であった。これが描かれたのは80年以上昔のことだから驚異的。とういうより、人間のやることなどは何年経っても同じだから、未来永劫社会風刺として生きながらえていくのであろう。ガリバー旅行記みたいに。
 ずいぶん乱暴な一言で申すなら「火星の大元帥カーター」は「君の名は」である(←乱暴すぎ)究極の恋愛ストーリーとはすれ違いにあり。いつまで経ってもあえない二人に読者はやきもきしっぱなしである。目新しい化け物や化学兵器がおざなり程度に出るには出たが、特にコレと言って活躍せず。ページ数も少ないし、コレは前作で絶体絶命になったデジャーソロスの「おとしまえ」的作品であろう。血沸き肉踊る点では前作の方がグット。
 シリーズ物というのは因果な物だ。作者はコレでお終いのつもりが、読者の熱烈なラブコールのおかげで、この後延々「火星シリーズ」は続いていくのであった。ふと「赤毛のアン」シリーズを思い出してしまった。少女必携の幸福サクセスストーリーだが、実は全巻読破しています(さすが活字中毒)一番好きなのは第一作をのぞけば「アンの娘リラ」日本版全集では最終巻だが、カナダでの発刊当初はかなり前の方。たしか4巻目くらい?コレにてアンシリーズは終了のつもりのモンゴメリだったが、そうはさせじと読者の熱烈なラブコールが転じ、やがて交通事故に遭ったモンゴメリを偶然通りかかった彼女の熱烈なファンに助けられたと思ったら、監禁され、脱稿したばかりの「丘の上のジェーン」を目の前で燃やされ、アンの続きを書くよう強要されて書き上げたのが「炉辺荘のアン」である。
 ...ええと、何の話しでしたっけ?