だから、何なんだって、キャラクター小説って?

 ここ数日で「木島日記」「木島日記こつがいそう」読了。木島日記の第1話でいきなりスプラッターな展開と、時代設定が昭和10年代ということもあって「京極堂シリーズのエピゴーネンか?」ともおもったのだが、スミマセン私の勘違いでした。全くオリジナリティあふれる内容でして、爆笑させていただきました。そうですコレは全編冗談にあふれたギャグ小説でした。
 日本のトンデモ科学の歴史は昭和初期に始まるという設定で、虚実様々な逸話や登場人物、そしてトンデモ小道具をそろえ。どいつもこいつも絶対友達になりたくないような登場人物達が繰り広げるドタバタ喜劇。いや参りました。あまりに面白かったので、二冊をあっという間に読み終えてしまいました。
 ところで本作はキャラクター小説とされているのではあるが、今までは「ストーリーよりキャラクターが立ちまくっているだけの小説」「内容が希薄なジュブナイル小説」「40過ぎたおっさんがうっかり立ち寄ると白い目で見られる、書店本棚の一角に並べられた小説」「ゴスロリ(←最近おぼえたことば)調の美少女が、ひらひらスカートからパンツがみえそでみえないイラストが表紙の小説」等々。あまり良い印象がなかった。まして今回の木島日記に至ってはまさかキャラクター小説とは思わず借りてきた。何せゴスロリ美少女とは似ても似つかない不気味な仮面の男の表紙である。これほど表紙と内容のイメージの乖離(木島自身は仮面の男なので、表紙のイラストは内容と整合しているのだが)した小説は初めてみた。そうか、これがキャラクター小説の神髄か。いや〜ほんと大笑いでした。そして、とても面白かったです。マジです。
 マジといえば参照先をさがしてamazon見たときに、こんな書評を見つけてた。

 実際にはこの本に書かれているような不可思議な出来事は無かったのは判り切っているけれど、昭和初期という混沌とした時代を下敷きにしているだけに「もしかしたら本当にこんな感じのことが有ったのでは?」と思わさせる小説でした。

 自分にはSFバカ本にしか思えないのだけれど...思わないよ、普通。