でた〜!!ターザン

 バローズ熱もとうとうここまで来てしまいました。火星シリーズはひとまずお休みして、バローズの名を世界にとどろかせた永遠の名作「類猿人ターザン」読了。噂には聞いていたが、まさにターザンのパブリックイメージ(森の守り神、正義の味方、未開人)を覆す本来のターザン像がそこにはあった。なにせ独学で英語の読み書き(この時点では話せず)をおぼえ、その後、短期間でフランス語を覚え、物語の終わりには英語さえ話せるようになっている。未開どころか語学の天才である。
 ま、詳しいターザン像はにわかファンの自分より造形深い方々にお任せするとして、ターザンの勝手解釈を(まだ第一巻しか読んでいないにも関わらず)してみる。野生の本能たぎり血湧き肉踊る勇猛果敢なストーリー。ラストは当然ハッピーエンドかと思いきや、めいっぱいアンハッピーな終わり方。コレは次巻への当然の布石であろう。こしゃくなことに自分はいとも簡単にバローズが90年近く前に仕掛けた罠に引っかかってしまった。もちろんターザンシリーズは絶版。お馴染み図書館司書にカビ臭い蔵書を書庫から運び出してもらうことになろう。
 あとがきによるとバローズさんは結婚二回。しかもそのどちらも破局という実生活ではかなり恵まれない境遇ではあったのだが、彼の創作に登場する「デジャー=ソリス」や「ジェーン=ポーター」を女性に求めていたのなら、そりゃ高望みもいいかげんにしろってとこだし、いわんやバローズさんに「ジョン=カーター」や「ターザン=グレイストーク卿」を女性が求めていたりしたのなら、さもありなん。
 ところで自分はターザン映画といえば「グレイストーク」しか見たことがない。公開当時一番原作に近いといわれていたこの映画ですら「全然違うやんけ」なのだから、他のターザン映画については言うまでもないだろう。悲しかったろうにバローズさん。ボー=デレク主演の「類猿人ターザン」は多分最高に奇妙な映画であろう。見てみたい(ニヤリ)で、「グレイストーク」だが、主演クリストファー=ランバート、ジェーンはシェーン=ヤング(ブレードランナーのレイチェル役がありましたねえ)で結構面白い映画だったのよ。やっぱりターザンが未開人で森の守り神...てなわけじゃなくて、ちゃんと教養が芽生えてきて、老グレイストーク卿との心の交流なんかがあったりして、ハートウオーミングな佳作だったなあ。
 とりあえず最近作られたディズニーのターザンくらいはどんな出来なのかチェックしておこうと心に決めた自分であった。
 ターザンの話、次回に続く(たぶん)