はじめてよんだ松岡圭祐

　「マジシャン」読み終えた。この人は「睡眠」や「千里眼」の作者だったのですね。タダ自分はどちらも読んでません。映画も見ていません。マジシャンのエンターテイメントぶりを鑑みると、間違いなく他の本も面白いと思われる。ここのところ古典や提灯伝記ばかりだったので、妙に読みやすく一気読み。ミステリにありがちな「一番最初に出てきた一番怪しそうな人物は真犯人ではない」というセオリーへの挑戦。というより、特に犯人当てはほとんど意味無い。この辺をしっかり描ききっているところがイイ。しかも全部の登場人物は話が展開していくにれ確実に「成長」していく。敵も味方もだ。タイトルがタイトルだから手品ネタばらしになってしまうのか思ったが、少ないネタをじょうずに使い分けている。実際の手品にしてもタネ自体はえらく単純だけれども、その演出で魔法のように見せるのだから、この松岡マジックにすっかり酔わされてしまったのであろう。うまい！。何かはまりそうな作家である。小野不由美の次のマイブームか？