j「地球の長い午後」ブライアン・W・オールディス

 どうも自分にはイマジネーション能力が足りないのか、ここに登場する数々の奇妙な植物たちのビジョンが浮かばないのである。ツナワタリ、フウセンイブクロ、ベンガルボダイジュ等々...かなり極端な未来像なのだが、未来図描写だけが延々続いて、登場人物置いてきぼりな感じがちょっと寂しい。主人公に比較的近いポジションの人物の容赦なく簡単に死んじゃう。まあ、この辺は「未来の人間は絶滅寸前の弱い種族」という設定だから仕方ない。初版1962年出版(なんと自分が生まれた年だ)なのだから、その当時では画期的だったのかな〜?
 でもってヒューゴー賞受賞だし。
 そう言えば昔、吾妻ひでおが結構ネタにしていたなあ...「ポンポン」は石ノ森章太郎「リュウの道」ででてきた植物共生人間の元ネタっぽいし...「アミガサダケ」にいたっては寄生獣ミギーだし...いろんな意味で日本マンガに影響をあたえた記念碑的作品ではあるのだろうな。