病的セーラームーン

 少し前になるが、彼の展覧会の告知をNHK教育新日曜美術館」で見た。興味はあったがなにせ東京でのこと、金欠人間には見に行けるわけがない。デジタルディバイトならぬアートディバイトだ。ところで、その彼とはこんな人間である。

彼はひどく内気な男だった。たまに話しかけられても、天気の話しかしない。病院の清掃人をしながら、誰にも相手にされず、貧しくひっそりと生きていた。
ダーガーがこの世を去ったとき、彼を下宿させていた写真家のネイサン・ラーナーは、身寄りのないダーガーの部屋を片付るために、生前ほとんど誰も招き入れられることのなかったその部屋に入っていった。そこでラーナーは驚くべきものを発見することになる。ダーガーが誰にも知られることなく60年にわたって書き続け1,5000枚を超える小説と絵画、『非現実の王国で』である。

子供たちを奴隷にし、拷問し、虐殺する残虐な男たちの国、グランデリニアとの死闘を繰り広げる、7人の美少女戦士ヴィヴィアン・ガールズの物語。
 かなりいっちゃっている人でした。人生全てをこの物語に費やしてしまった人。なんかロマンを感じ...るわけないじゃないか。暗黒セーラームーンとでも呼びたくなる物語は、現在至高の芸術として高く評価されている...らしい。あまり自分は評価したくないが。
 アマゾン調べたら本がありました。まさか市立図書館にはあるまいとおもったら...ありました。即ネットから予約入れました。こんな本読んで人間が壊れなければいいのですが。
ところで、一体何で突然こんな事を思い出したかというと、漫画家 山本貴嗣の雑文を読んでいたら、突然彼の話題が出てきて思い出したのです。ずっと知らないままの方が幸せだったかも...