とか言いながら...

 何とか時間を見つけながら「ベストオブバラード」を読書中。短編集。いま一話だけ読んだ。二十年くらい前に「バーミリオンサンズ」というのを読んだことがあるが、内容はすっかり忘却の彼方になってしまった。もう一度読みたくて、図書館を探したけれど、なし。図書館はかつてのハヤカワのハードカバーSFシリーズを全て文庫化する義務がある。頼む、もう一度読みたい本が多すぎる。
 宇宙の果てに新開発の超高速システムで飛んで行くのがSFではなくて、人間の精神世界に深く沈み込んでいくことがSFだというバラードのSF観は当時三十年は早かったであろう。この頃ディックを読んでいても思うのだが、当時のニューウエーブSFというのは、現在の日本の社会の閉塞状況によく似ている。当時のアメリカやイギリスがこのような閉塞状況であったのだろうか?