おばちゃんといえば

 憂歌団の「おそうじオバちゃん」を思い出す。憂歌団で一番有名な曲だが、一般には全く知られていない。ナゼか?放送禁止曲だからだ。職業差別からだそうだ。差別は差別言ってる方が差別だ〜と、言っちゃなんだが、実演販売場のおそうじオバちゃんはとても大切なお得意さまです。仕事着スタイルで実演場所にこられた時などは、必死で商品説明します。なぜなら彼女たちおそうじオバちゃんは、とてもお金持ちなのです。近所の農家の方や、有閑マダムが結構やっているので、お仕事姿では買ってくれなくても、仕事終わって普段着にてお買い物に来てくれます。おそうじオバちゃん大好き。
 ところで、朝一番でオバちゃんたちに会う場所が、デパートの場合「男子トイレ」なのだ。デパートの唯一の洗濯機が男子トイレ内にあるためなのだ。さて仕事前にひとションして...などと従業員用トイレに駆け込むと、オバちゃんと鉢合わせ。「おはようございます」と、挨拶は交わせども、オバちゃんといえども女性だ...てか、自分よりちょっと上の世代の女性なので、この状況でションするのは案外抵抗ある。しかたないので「いいですか?」とりあえずお伺いをたててから、いたす。お伺い立てられた方も「だめです」とは言えないでしょうが...
 そんな毎日が続いているときにふと考えた。オバちゃんは一体いつから、どのようにおばちゃんとなってしまったのだろうか?おばちゃんだってその昔は花も恥じらう乙女であったことは間違いないのに。ああ、こんな事ばかり考えていると、まんじりとションもできません(←おいおい)
 てか、その洗濯機を女子トイレに置いてもらえませんかねえ...そんなことが続いたある日、仕事の合間にトイレに入ろうとしたら入り口のドアが開かない。おかしい、個室じゃあるまいし、入り口に鍵はなかったはずだ。ちからまかせに押しまくったら「あ、スミマセン。今開けます」と女性の声が...?え?え?見ると入り口がブロックでおさえられてあった。とりあえず中にはいると、いつもの年上のオバちゃん達とはあきらかに違う、どう見ても20代のおそうじオバ..じゃなくてオネエちゃんが洗濯機を使っていた...「ええと、いいですか?」ちょっと動転気味に訊ねるのもマヌケだが「どうぞ、どうぞ」と笑顔でいわれた日には...いまさら「遠慮しておきます」とは言えずに、顔から火が出る思いをしながら、小用させてもらいました。そんな自分は結構カワイイモノである(←おいおい)
 たのむから洗濯機は女子トイレに置いてください。