文芸春秋今月号

 買ったわけではない。医者の待合室においてあったのでパラパラめくってみた。「芥川賞の衝撃」自分で言うなよ、自画自賛。250万人が読んだそうだ。なにせ自分とこのオヤジすら「蛇とピアス」よんだもんな。そして大絶賛してる...まさか?
 こうして改めて思い返してみると、自分の感想として違った感じがしてきた。つまりそれはこんな感じだ。
 十周年まえ泉昌之というちょっと特殊な漫画家が描いた「プロレスの鬼」という作品中に、当時の芥川賞受賞作品「なんとなくクリスタル」を読んだプロレスの鬼こと主人公が、その内容に怒髪天を突き「田中(現長野県知事)のうちへ行って来る」と、ファイティングスタイル(要はただの海パン)でなぐり込み、あやしいパーティーで美女をベットで数人侍らせていた田中(現長野県知事)にスカイハイ=リーの必殺技「摩天楼地獄」(かのジャイアント馬場も苦しめられたという幻の技)をたたき込んで溜飲を下げた。
 自分の心情にピッタリだ。もっとも実際に実行したら、即ヘンタイさんとしてつかまってしまうこと間違いナシだが。
 絶賛の提灯記事の中にも毒舌に批判している者もあり。おお友よ。
 なかに一人「男子ガンバレ」とのご注進くださった方がおられたが、みんな「滝本龍彦」をわすれているのではないか?そうだ、芥川賞選考委員の連中は、きっと鼻にもかけていないであろうが、彼こそ受賞...せずとも、少なくても候補にあげてもよかろうが。「NHKにようこそ」などはあまりに話題に上がらず、近所の市立図書館からも持ち逃げされるという不遇な目に遭っている。誰か滝本龍彦に愛の手を。じゃなくて、せめて候補にあげてから「男子はどうした」と言ってくれ。同じ引きこもりでも「美女」と「オタク」じゃ、こうも扱いが違うモノなのか?(それが現実)
 ところで「蹴りたい背中」だが、とうとうハードカバー版がコンビニにまで並びはじめた。スゴイ売れ行きだ。版元も笑いが止まらないことであろう。しかし自分のオヤジにはどうも内容が理解できないらしく。数ページで放り投げてしまったようだ。どちらにしろ読み終えたあと少したってみると「NHKにようこそ」の方が断然自分は好きだとおもえてならない。