沢木耕太郎

 ひさしぶりに引っぱり出してきた「彼らの流儀」沢木耕太郎の帯に「あり得たかも知れない人生にいくつかをを失いながら、人は進む...」とあった。「1960」のあとがき「未完の六月」にも書いてあったカシアス内藤との再開から「危機の宰相」を補完、刊行する事ではなくて「一瞬の夏」を書いたことが、その後の沢木耕太郎を決定づけたということなのだろうか?彼にとってのあり得たかも知れない人生とは「危機の宰相」を補完、刊行して、その後政治評論などは執筆の中心になっていたかも知れない、ということなのだろうか?そういった意味では、つまらなかった「危機の宰相」も重要な作品となるのだな。