僕の小学校

 「うちの小学校はB29だったんですよ」いきなりそんなことを言われても、サッパリわからない。
 昔、よく同じ催事会場で仕事をしていた知り合いの刃物職人(の弟子)。八王子に実家があるのだが、新潟県の刃物職人の所に修業に来ていたのであった。もちろん修業の中身は「刃物製作」の他に催事での「実演販売の方法」もある。現代に生きる職人は工房に籠もって技を極めるだけではダメなのだ。接客業も職人の仕事である(とはいえ、そこの部分でかなり悩んじゃっているんですけれども。接客に向いてないかも、自分)
 冒頭は、たまたま浅草のデパートで仕事が一緒になったとき、何となくかわした会話である。意味わかんない。「なにいってるの?」「話が急すぎましたね」「え?」「実は小学校時代は神戸に住んでまして」「はい」「その小学校が戦争当時に建てられたモノだったんです」「そりゃまた文化遺産的な」「そうなんですよ。戦争当時だったから空襲とかもひどくて、それで米軍に空襲されないように、見た目を『B29』に似せて作ったんですよ」「小学校をかい?そりゃ凄い、そのうちNHK教育あたりで紹介されないかね」「はははは」
 その後スグに彼は修業先の刃物屋さんを辞し、両親のいる地元、八王子に帰っていった。結構仲良くなった異業種の修業仲間もいたろうに、あまりに急な話である。浅草のデパートには自分のオヤジも来ていたのだが...「あの刃物の弟子な。いつも休憩時間になると他のブースのマヌカンさんと一緒にいたのだが...ひょっとして一緒になったんで刃物屋辞めたんじゃないか?」まあ、そんな事もあるかも知れない、東京のファンタジーである(未確認だけど...)
 ところでその「B29の小学校」がモノスゴク気になります。御存知の方、情報頼みます。