今日のバローズ

 ところで今日Amazonからアファリエイトプログラムの自分の集計結果が送られてきた。結果は「ゼロ」である。考えてみれば内容を褒めちぎった本は極少数で、ほとんどボロクソにけなしてきたのだから、こんな書評で本を買う人はいないか...あと、絶版本をムキになって紹介したりね...
 そんなわけで、今日の絶版本である(←おいおい)もっとも合本版が再販されているから絶版とは言い難いか(それにしても合本版を書店で見たことがないなあ...)ここまで来ればもう御存知、エドガー・ライス・バローズの「火星の透明人間」だ。
 ただ、表題のように透明人間が大活躍したり、ジョン・カーター御自ら透明人間になるわけでもない。テレパシー(?)の力で透明になれる種族の国へ紛れ込んで、適当に活躍する話。透明人間は出るにはでるが、あっという間に透明でなくなり、可視人間となりはてる。テレパシーの力で透明になるのだから、意志の強さで凝視すると、透明状態が解除される。なんかご都合主義もイイカゲンニシロという透明人間だが、そんなことをいちいち悔やんでいたらバローズ作品なんか読めません。
 いままで火星シリーズの読書を中断して金星シリーズを読んでいたためであろうが、やはり妙に暗い雰囲気の金星シリーズより痛快無比の火星シリーズは読みやすい。「私はまだ生きている」絶体絶命のピンチに陥って、仲間のなかに諦めムードが漂ってくるときに出てくるジョン・カーターの名セリフである。生きている限りは諦めない。なんて前向きなセリフなんだ。
 物語は火星に暗躍するの殺し屋ギルドの首領を倒すため、故国ヘリウムを単身出奔するカーターなのだが、なんとそのスキにギルドはデジャーソリスを誘拐、火星の衛星であるサリス(たぶんフォボス)へ連れ去ってしまった。さあ大変。途中カーターは身分を放浪戦士と偽って科学者に雇われる。そこで彼の開発したテレパシーで動く宇宙船を強奪して、愛しきデジャー・ソリスがとらわれているサリスへ向かう。しかしそこは奇想天外な透明人間達が支配する国であった。
 いや、面白いっていうより「あいかわらずでんな〜」と思わずツッコミ入れたくなる活躍ぶりである。ま「火星の透明人間」はこんなところで、次はいよいよシリーズ最高、白眉の傑作「火星の合成人間」である。自分的にはここに至るまでの最高傑作(火星のプリンセスはのぞく)は「火星の交換頭脳」であったのだが、その〜交換頭脳での名脇役、邪悪なのだがみょうに憎めない、主人公よりキャラ立ちまくりのマッドサイエンティスト「ラス・サヴァス」の再登場だ。これが楽しみでなくて何だ!!多分きれまくってあろう書評を待て。