川の深さは

川の深さは

川の深さは

 ようやく読了しました。この主人公「桃山」がどうしても「こち亀」の両さんとイメージがなぜかだぶってしまって、読書中ずっと頭の中では両さん大活躍。本当にそういうキャラクターなんだって。元警官(今は退職)の警備員で、自分のおかれた立場に不満があるのか満足しているのかわからないけど、妻娘と別れ一人暮らしだったり、休日のお楽しみがパチンコだったり、はっきり言ってどこにでもいるリストラ人生破綻しかけオヤジなのだが、なぜか美人諜報員に好かれたりするわけだ。また、困ったひとを見かねる性格で、巻き込まれる数々の事件。そこで助けた若い男女との交流など、実際このシチュエーションに「こち亀両さん」が巻き込まれたらこういうリアクションするだろうなというストーリーだ。どうしようもないくらいしょぼくれた中年が、人情味をあふれさせ大活躍する。コレにシンパシーを感じない1960年代生まれの中年オヤジはいない。
 比べては悪いかもしれないが、「ターンエーガンダム」のノベライズに比べて世界観の構築がちょっと弱いかなとは思ったけれど、あらかじめテレビ版として綿密の設定された土台の上に展開された 福井ワールドなので、しいていうなら「既存OSの上で動作するアプリケーション」と「独自OSを作り出した上でアプリケーションも作った」という違い(わからんねえよ)だ。
 この福井さんってひとは本当に心の底から「メカの戦闘描写」が好きでスキでたまらないという人だ。人間描写もかなりいいのだが、心の底から戦闘アクションによいしきっている描写は「すきこそものの上手なり」を地でいっている。そんな作家の情熱に引っ張られるように自分もいつのまにやら?井ファンになってしまったようだ。
 先日地元図書館で探したら、書庫の中に「亡国のイージス」が大事に保管されていました。読みます、よまさせていただきます。今度図書館に行くときは必ず借ります。
 とりあえず今借りている本を読んでからね。