「千里眼 ミドリの猿」松岡圭祐

　とりあえず読み終えました。
　今まで「催眠」「マジシャン」「千里眼」と読んできて、すっかり松岡ワールドに魅せられてしまった自分であった。そこで久しぶりに読んだ松岡ワールドではあるが「シリーズものは第一作が最高傑作である」という絶対方程式を確認してしまう。この後延々続く松岡「千里眼」シリーズなのだが、きっとそこへ向けての壮大な「予告編」であろう。
　ひょっとして某日本が誇る黒豹シリーズのごとく、特定読者をピンポイントしている小説家なのだろうか？現時点でこの本の続編「千里眼　運命の暗示」を半分以上読み終えているのだが、ますますもって「ピンポイント読者を対象」という感じが増している。おもしろいと感じられないのは、つい先日「亡国のイージス」という大傑作を読み終えてしまった後遺症なのだろうか？いや、とてもそうとは思えない。千里眼シリーズは未だに続いている人気シリーズである。今もハードカバーで最新刊が刊行されている。そのような矮小な物語ならここまで続くはずがない。作者の好、不調。あるいは、物語上に必然があってのつまらない展開か？とりあえず好意的にとっておく。これに懲りず、しばらくシリーズのつづきを読み続けるつもりではある。

千里眼 ミドリの猿 (小学館文庫)