「千里眼 運命の暗示」松岡圭祐

「岬美由紀、かめはめ波だっ!!」
というセリフはないが、こんなもんだ。
ところで新潟市には、これ出てきた敵の「鍛冶光次(かじこうじ)」という名前の道がある「鍛冶小路」と書くけど。知り合いの革細工屋さんが店を出している。ソレがどうしたといわれればソレまでだが。
「催眠」で主役をはった嵯峨敏也はまるで同一人物とは思えないへたれぶり。千里眼第一作で生死不明だった友里佐知子が再登場。そしてなにもしないまま自殺(偽物じゃねえか?)説得力のカケラのない中国の宣戦布告とそのカラクリ。そしてソレを阻止せんと発する岬美由樹の「かめはめ波」最後は当然ハッピーエンドだが、あってもなくてもいいような後日談が延々続く、長めのエピローグ。ご都合主義はキライじゃないが...自分は読んだことはないが、ひょっとしてかの日本が誇る黒木検事「黒豹シリーズ」もこのような展開なのではないか?(先日の日記でかかなかったか?)そのうちハードカバーの裏表紙に、自宅で日本刀を見入る作者の写真なんかが張られるのじゃないだろうか。そうなったら引くけど...
なにがいいたいかというと「つまらん」のだよ。登場人物の嵯峨敏也と友里佐知子が前作とはまるで別人のようだったが、ひょっとしたら松岡圭祐も別人なのじゃないかと!!この後シリーズはまだまだ延々続くのだが、それだけ続いているのだから、きっとどこかで持ち直しているのだと信じたい。信じていますよ。てか、千里眼シリーズはちょっとお休みしてマジシャンシリーズでも読もうかな。
唯一おもしろかったのは「ミドリの猿」の正体。ご都合主義もここまで徹底してくれて突拍子もないと、自分的にはとてもうれしい。この後も主人公の岬美由紀は、きっとどんどん人間離れしていった活躍をしていくんだろうな。もしそうなら中途半端はやめよう。ひと飛び30メートルとか、一蹴り10人倒しとか...声を聴くと昇天するとか(←おいおい)感動も涙もカタルシスもない。やはりこれは以降の作品への壮大な予告編なのであろうか?

千里眼 運命の暗示 (小学館文庫)

千里眼 運命の暗示 (小学館文庫)