なんたるチャ

idonokaibutu2005-04-20

苦しくも長い仕事がようやく終わった。催事期間が11日などという催事生活始まって以来の長期出張はさんざんな結果を残し、ぜんぜん無事ではないが終了した。前半の出足は好調(というほどでもないのだが)だったが後半客足がピタリと止まってしまい、限りなくゼロに近い販売実績が連なる。自慢じゃないが、たぶんうちが最下位かそれに準じる成績であろう。来年の出店を考えざるを得ない。そりゃ努力不足もあるかもしれないが、客足と成績がシンクロしているのでどうしようもない。毎度の常套句だが「空気相手に商売はできない」のだ。お客が来ないと売り上げが上がらない商品なのだよ、うちは。
一昨日最終日終了後、打ち上げと称して飲み屋へ、今回の出張では初めて行く。とはいえ二人。他の人はみんなその日の夜行で新潟へ向かった。自分らはもう一泊して帰る予定。こりゃやけ酒だ〜と思ったのだが、一緒の人が下戸気味なので、生ビールをちょっと飲んでお開きとなる。ホテルの部屋へ帰っても、なんか手持ちぶさたなので、一人で夜の町へ繰り出す。前から気になっていたジャズ喫茶に入ってみた。真空管アンプがあり、巨大なJBLに、ざっと見積もって5000枚はあろうかというJAZZのLPレコード。むちゃくちゃ良いぞ。
どこの町でもそうだが、初めてはいるお店というのは緊張する。しかもジャズ喫茶となると、ソコは通のたまり場である。ドアを開けると同時に常連客とマスターとの間に妙な緊張感が走る。この感覚はその昔、将棋の町道場に言ったときと同じである「腕試しに来たよそ者」といった感覚がひしひし伝わる。そこからマスターのこれでもかという、見たことも聞いたこともないようなレコードの挑戦が始まる。スミマセン、全部初見で全然知りません。挑戦者はあっさり返り討ちにあいました。ま、こんなとこでマイルスやモンクなどのメジャーどころがかかる訳もないか。
一番安いフォアロゼの水割りを頼むと「アンタは『よそから』だから」といって百円高いハーパーの水割りをくれた。せっかく四国まで来たのだから焼酎でも飲みたいと注文すると、メニューにないのを「うまいから」と出してくれた。後はほとんど会話なし。そのぶっきらぼうさがよい。「よそから」ってのはつまり「よそから来た人」という事なのだろうが「同胞(はらから)」に対する「余所胞(よそから)」という意味にもとれるなあと思う。つまり余所から来た同胞って事?おもしろい言葉だ。
最後に頼んだ焼酎が効いたのか、翌日はお約束の二日酔い。それほど頭は痛くないのだが、ボケーっとした状態で食堂で朝食サービスの「さぬきうどん」を食す。とりあえず当初の目標だった「さぬきうどん」は毎朝食べれたのでよかった。当初、具もすくなく味も鰹だしあっさり系のうどんに、食文化の違和感を感じていたのだが、さすが11日も食べ続けると微妙な味加減やうどんの食感、のどごしなどがようやく理解できてきたような気がした。
高松最後の日。スグに電車に乗って帰るのも世知辛いと思い、有名な観光スポット「栗林公園」へと出かけた。二時間ほどゆっくり散策。久しぶりの観光気分を味わう。この一年間日本のいろいろなところへ行ったけれど、観光らしい事は一切しなかった。すっかり桜は散ってしまい残念だったが、藤がすでに咲き始めていて驚いた。四国は南国なのだなあ。
写真は栗林公園のおみやげ物屋産前のディスプレイ人形で「奉公(ほーこ)さん」みょうにカワイイ。