「告白」町田康

ようやく読了。久しぶりにずいぶんと時間がかかった読書だった。
河内音頭でも歌われているほど有名な事件「河内十人斬り」の主人公、熊太郎を主人公にした、お馴染みパンク文体爆発の町田康先生の最新作である。てか、もうパンク文体なんて言わなくても普通に町田文学でいいんじゃないか?
さて例によって主人公はまるで町田先生そのままが繁栄されているかのごとき無能な人。本当に町田先生は芥川賞とれてよかった。んじゃなきゃ、この主人公のような人生を送ったのではないかという性格破綻ぶりである。でもって、熊太郎にぶち殺される熊次郎(兄弟のような名前だが、さにあらず。他人)だが、コイツも人格崩壊エゴイストなので、全くろくな人間が出てこない。
よくこの小説が読売新聞に毎日掲載されていたなと思えるほどだ。もっとも主人公の破綻ぶりは、かの有名な日本経済新聞の「愛の流刑地」の方が数倍上だが。経済新聞侮りが足し。
しかし考えても見れば、博打にくるって次こそ勝つぞと大枚つぎ込み、途中勝っているにも引き際を間違え気がつけば素寒貧なんて、よくあるその辺のオヤジである。自分の考えをうまく言葉に出来ず、よって考えなしに行動しているように思えるが、その実頭の中は猛烈に回転していて、それが豪快に空回りしているとしか思えない状況で、考えられる最悪の状況に転がり落ちていくって、よくある事じゃないか。自分にもかなり思い当たる。
かなり思い当たることがあるので、なるべく大量殺人とかしないように皆さんも注意した方がいいですよ....という啓蒙書です。
ですか?
スミマセン、たぶん違うと思います。

告白

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