「1809」佐藤亜紀

かの皆川博子大先生がとある週刊誌で「私が選ぶ作品」という企画で最近紹介されいて、不肖イドにおきましては、未だ未読だったことを深く反省し、ようやく読了致しました。
すみません、よくわかりませんでした(勉強不足)
いや、出だしがみょうにとっつきにくかっただけで、読み進めていくと後半に話のつじつまが合ってきて、なるほどそういうことかと膝を落ちたかったところですが...
すみません、よくわからなかったです。
主人公の関わり合いにある謎の人物こそが、この物語のキモなのだが、弟の不出来で脱獄失敗、両足拷問骨折ってことなで、それでも弟は愛している。でもって弟は剣の達人だが、いまいちまじめすぎて謀略に使えないし、でも弟の妻はこいつの愛人で暗殺者だし...ってもんで、こいつがナポレオンを首尾よく殺せる殺せない以前に「こんな人たちと知り合いにはなりたくない」という非常に個性豊かな登場人物満載である。
謀略と拷問と暗殺と複雑な人間関係が絡み合う。よくわからないなりにもこんな時代に生まれなくてよかったと...とはいえ、佐藤女史の著作にはしょっちゅう「歴史小説を読んで、歴史を知った風な口をきくな」といった(誤解だったらゴメン)コトを読みとけるので、コレを読んで「ナポレオンのころのフランスはダメ」とか言っちゃったら、佐藤先生から「イド君、落第」といわれなねない。
なにより、今頃になって「先生、ようやく1809読了しまして」ということ自体、十分落第生なのだが(いつのまに生徒になった、自分)

1809―ナポレオン暗殺 (文春文庫)

1809―ナポレオン暗殺 (文春文庫)

あじゃこうじゃ言いません。「バルタザールの遍歴」は名作だから、必ず読了するように!!