「白洲次郎 占領を背負った男」北康利
新聞の書評なんかで絶賛されていたので、つい読んでみた。が、基本的にこの手の「この人を褒めよ」的は書物は苦手なんだなあ...やはりソコはフィクションをどっさり盛り込んでもかまわないので、もう少し人間としての白州に踏み込んで欲しかったなあ...最近読んだ本で似たような本は
「孫正義起業の若き獅子」ISBN:4062087189
それと
「お見合い相手は魚河岸(つきじ)のプリンス」平野文(ラムちゃんの声の人)ISBN:4140801360
だな。どちらも読んでいて途中でいやになってきた。自慢話ばっかりじゃないか。自慢話を上手にするには難しいものだ。この自慢話が実に上手なのが、いつも言っている吉村昭なのかもしれない。とはいえ歴史小説書いているみんなに「吉村たらんとせよ」というのは、そりゃ酷ってものだけど。
見た目の厚さの割に、本当はそれほど厚くない本書(厚い紙を使用)ですから、割りとスグに読める。近代史の勉強がてら読むのもいいかも。半分ひがみもあるけど、カッコイイ男ってトクだよな。いいよな....くそ。
中にはこんな話も...敗戦後の憲法改正のアメリカ原案に「土地はすべて政府が買い上げ、国有地とする」というのがあって、白州さんはじめ、みんながビックリしたそうな...そりゃビックリだよ。それじゃまるでソビエト連邦じゃないか。
ま、なんて言うか、政治というのは「声の大きい物が勝つ」ってコトなのかもしれない...アレこのフレーズはどこかで聞いたことがあるな?あ、そうだ。このサイトのタイトル「イドの怪物」が出てくる映画「禁断の惑星」だ。そこに出てくる博士が、主人公の知能指数を計ったとき、そのあまりの低さに「まあ、指揮官というのは声が大きければ勤まるものだから」といったセリフ(たぶん)だ。そのときの主人公の宇宙船の艦長役はかのレスリー・ニールセン(裸の銃を持つ男シリーズ)なのだから、キット白州さんもニールセンさんみたいなヒトなのかな?
と、強引に締めくくる。
- 作者: 北康利
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: 単行本
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