「ねじまき鳥クロニクル」 村上春樹
ここのところ読書のペースが明らかに落ちまくっている。最盛期には一日一冊なんて普通だったのに、一月で一冊読めばいい方である。その原因がどこにあるか考えてみたが...考えるまでもなく「読む本が厚すぎる」
そんなわけで先月読んだ唯一の本がこれだけだ。全三冊の大長編。発売当時は一巻二巻までは順調に出たが三巻がなかなか出なくて「一体いつ出るのだ!!」と怒りも込めて大反響のだったはずだが、近年の村上春樹再評価ブームの中でもあまりに評価されない一冊になってしまった。替わって地下鉄サリン事件をあつかったノンフィクション「アンダーグラウンド」の方が評価高かったりするし...わからないものだ。
個人的には去年の年末に出張の友として読んだ「海辺のカフカ」以来の村上体験なのだが、感想はと言われると...う〜ん...
ハッピーエンドなツインピークス
といったところなのか?
おもしろかったですよ。正直カフカに比べてどうか?と聞かれたら、なにも予備知識がなければ「これも良いかも」と思えるかもしれないけど。
本書は確か十年ぐらい前にニューエイジブーム火付け役になったのではないかと思える作品だし、今頃になって読んでいる自分も自分だが、振り返ってみると、現在の評価低いのも、このニューエイジブームの終演とリンクしているのではないかとおもえてならない。しかしこうして世の中のブームとは関係なく村上春樹を読むと(というほど読んでないが)それなりに楽しめてくるから不思議だ。
現在ではニューエイジブームというより「と学会」によるインチキカルトネタ暴露集団によるアンチニューエイジとも言える時代に、本来バッシング対象にもなりかねない超常現象ネタを、モノスゴク巧みに取り入れた「海辺のカフカ」こそ、と学会首領、山本弘の理想とする文学ではないかと深読みをしてしまった次第である(いや、彼の「神は沈黙する」もマイベストではある)
全然関係ないが、普段は手に取ることも滅多にないスポーツ新聞のコラムで唐沢俊一の村上春樹評らしきものを読んだ...何年後かに村上春樹の小説が素晴らしってことで教科書に採用されて、授業で生徒に朗読させたら、そのまんまポルノ小説だったというの....ま、その部分だけ抽出したらポルノだけど、普通そんなことしないでしょ〜でもまだ日本に検閲制度があったころは普通の事じゃなくて、その部分だけ抽出して「発禁」当たり前だったんだし、ソレは確か自分が幼少時代もあったと思ったので....
ぜひ村上春樹を教科書に乗せて欲しいものです(多分載るとしたら「アンダーグラウンド」だろうな)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
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