「審判の日」山本弘

最近も新作が刊行された山本弘。だいたい「と学会会長」という肩書きだけにとどまっている人ではないのだ。わかりやすいしおもしろいし。まさに...
ライトノベルの帝王」
と呼んでやろう(←おいおい)
短編集なのだが、いきなりなんというか「夜の顔」が何かいい。タダ単なる不条理小説。ひねりもナニもない、不条理。二十数年前に吾妻ひでおが不条理SF短編マンガで書きそうなお話。ソレが山本弘の手にかかるとこんなにも高尚なお話しになってしまうのかと...ウソです、なっていません。
でもなんか不条理具合が好きでした。表題作の「審判の日」のような不条理の中にも理由らしき物を求めるより、よほど清々しいと思ってしまったわけだ。
あとは人工頭脳の怒りをかい、その相手の人格をデータ化してそのデータを永遠に殺し続ける人工頭脳(ああ、ややこしい)の話。コレなんかはまるでジョジョ第六部(ジョルジュの話)のラストでキングクリムゾンが陥っている状況と同じだな。
あ、つまりそうか。最近のトレンドはどいつもこいつも「80年代不条理SFリスペクト」なのか!

審判の日

審判の日