「祈りの海」グレッグ・イーガン

近所の図書館は文庫本が弱点だ。ハードカバーものは結構話題作もすぐ入荷してくれるが、文庫はアウト。つまり新訳がいきなり文庫で発売となると、まず借りられない。その辺で一番不利なのが早川文庫であり、早川文庫皆無な図書館なのだ。それでもどうしても読みたい本と言うモノはあるものだ。そんなときどうするか....
モチロン書店で定価で買うんだよ!
でもたまにブックオフの神様が微笑んでくれることもあって、半額で買えることもある。本書がそう。
スミマセン過剰な思い入れの割にあまり印象深いお話しがありませんでした。短編集なのだが、そんな中でも気になったのは、彼女を拉致されて、暴行を受ける画像を送りつけられている。しかしそれは実はバーチャルリアルなねつ造された画像なのだが、そのクオリティが本物と同等なのだ。主人公はソレが偽画像でバーチャルなものと知りながら、脅迫団の言われるがママに身代金を支払い続ける。モチロン彼は本物の彼女が全く気概が加えられず、ぴんぴんしているコトもしっているのにもかかわらず...主人公曰く「完璧なVRと本物との差違はあるのだろうか」と非常に訳のわからない結末で終わる。
これだけ読めば全く訳のわからないお話しなのだが、この後続く「順列都市」とか(ああ、シマッタ未読)「ディアスポラ」などに続くバーチャルに移植された人格というライフワーク(なのかな?)に続く壮大なドラマの幕開けとも言えるものかな?
この辺を推し進めていったのが山本弘の「アイの物語」だと思う。
後なんかいろいろ話があったと思ったけど読了と同時に忘れてしまったようだ(←おいおい)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)