「ジャン・クリストフ」ロマン・ローラン

ここ数ヶ月、まったく読了報告が無かったことを不審に思われていた人は...多分いないと思う。ついこの前「乳と卵」の感想を書いたばかりだから、まあ、適当にサボっていたのであろうと。
ところがその間に悪戦苦闘して、ある本に取り組んでいたのだ。
実は「乳と卵」読んだのも、さすがに同じ本を数ヶ月に渡って読み続けていたことに疲れてしまった逃避行動だったのだ。そんなに読むことが大変な分量の本とは...大菩薩峠...ではなくて。
本書「ジャン・クリストフ」である
原書では全十巻。コレを岩波文庫版で全四巻。ま、普通なら大したことない分量だが、これが岩波文庫となると俄然てごわくなってくるから不思議だ。
あくまでも古風ゆかしき文体。といえば聞こえはいいが、余りに比喩が無理すぎてナニが何だかわからない。もう少し(アカデミー超訳とまではいわないが)意訳してもいいんじゃないかというような、直訳っぷり(原書をよんでいないので、どうかは不明だが)そんな本を、高校時代現代国語で赤点取り巻くって「オマエは日本人か」と国語教師に激怒されていた自分が読破しようとしているのだから、無謀も無謀である。無謀きわまりない。
読み始めたのが去年の十二月初め。今、ようやく全部読了した。ほぼ二ヶ月半。そして、その内容は...すみません、説明するのも大変なので、どこかのサイトで解説を探してください。でも、そんなサイト、ほとんどないんだよね〜
自分はこういった過去の著名な名作を読み始める前に、あきらかに登場人物多すぎるよと考えられる場合に、ネットを使って登場人物一覧表だけでもゲットしておいてから読み始める(コレは経験則なのだが)過去にも「屍鬼小野不由美 とか「カラマーゾフの兄弟ドストエフスキーを読んだときは、これが実に有効で、いつもプリントアウトしておいた登場人物一覧表を本に挟みながら読んでいた。
ところが、ジャン・クリストフにはない。
かなり探したが、それらしいサイトに行き当たらなかった。ソレでなくても百人以上いる登場人物を逐一覚えておくことは不可能。ある程度読み進めたら、また引き返して人物確認...コレでは読が先に進むわけがない。しかも文体が古くさくて、ちんぷんかんぷん。
ほんと、最初の十ページくらいで投げ出そうと思った。それではイカン、何としても読み続けよう。なにかいい手はないか?そこで妙案。
めんどくさいので、ナニを表現したいか自分が理解できない文章は、なかったことにして(←おいおい)とりあえず、文字を眼でおい、ストーリーの大まかに掴んでいこうと...
ひらきなおった。
それでも読書はいっこうに進まず、何度となく「何でこんな思いをしながらこんなクソ難しい本を読んでいるんだっ!!」と憤慨したモノだった。ま、それでも投げ出さなかったのには、文体の奥に流れる、深い魅力があったからであろう。
話が長くなりそうなので、今日はこれくらいにしておく。多分この「ジャン・クリストフ」に関しては、話が尽きることがないであろう。
壮大な、それでいて心に響く、魂の創設とでもいうような深いモノがあるのではないかと感じるのだが...続きはそのうち書くということで、今日はオヤスミナサイ。

ジャン・クリストフ 1 (岩波文庫 赤 555-1)

ジャン・クリストフ 1 (岩波文庫 赤 555-1)